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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1610.05506
Leconte et al. (2016)
Condensation-inhibited convection in hydrogen-rich atmospheres: Stability against double-diffusive processes and thermal profiles for Jupiter, Saturn, Uranus, and Neptune
(水素主体大気中での凝縮阻害された対流:木星,土星,天王星,海王星の二重拡散過程に対する安定性と熱的構造)

概要

大気中では,雲が凝縮する領域は,雲成分に関係する化学種の存在度の垂直方向の強い勾配が存在する場所として特徴づけられる.
地球では,雲生成の結果として発生する平均分子量の勾配は,比較的小さな動的結果しかもたらさない.これは,地球大気の背景ガス成分である窒素分子は水蒸気よりも重いことが原因である.従って,潜熱の解放のみが対流に大きな影響を持つ.

対照的に,ガス惑星のような水素主体の大気では,凝縮を起こす化学種は背景のガスよりもずっと重い.この効果は,その化学種の enrichment が臨界の閾値を超えていた場合,雲層付近で大気を対流に対して安定化する働きがある.
この状況で,2 つの疑問が提起される.一つは,そのような安定化している層で輸送されるエネルギーは何か?もう一つは,巨大ガス惑星の熱的構造はどのように影響されうるか?という点である.

これらに答えるため,対流と二重拡散対流の線形解析を行った.その結果,高い凝縮効率は,二重拡散対流を抑制することが出来るという結果を得た.これは,安定な放射層が雲が凝縮する高度に形成され,深い断熱曲線の温度の増加を起こしうるということを示唆する.

さらに,最も量の多い凝縮物である水の凝縮の効果を,定常状態の大気モデル中で検証した.標準的なモデルと比較すると,温度増加においては,主要な化学トレーサーの quenching depth において数百度になることが分かった.
今回ここで考慮したモデルによる影響は,ガス惑星大気の力学・化学状態のさらなる理解において重要であると考えられる.

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