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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1610.07963
Lisse et al. (2016)
The Puzzling Detection of X-rays From Pluto by Chandra
(チャンドラによる冥王星からの X 線の不可解な検出)

概要

X 線天文衛星チャンドラの ACIS-S (ACIS: Advanced CCD Imaging Spectrometer, S: S-array) を用いて冥王星の X 線での分光測光観測をこなった.これは冥王星探査機ニューホライズンズの 2015年7月14日の最接近時のサポート観測として行われ,2014年2月から2015年8月の間に計 4 回,総観測時間 174 ksec に渡って行われた.

その結果,11 × 11 ピクセルの範囲 (100 × 100 冥王星半径に相当) において,0.31 - 0.60 keV のパスバンド内で 6.8 カウント (ノイズレベル 1.2 カウント) の X 線が検出された.検出された光子は背景からの放射とは一致せず,空からの線源の混入でもない.

冥王星からの 0.31 - 0.60 keV の平均 X 線エネルギーは 200 MW であった.これは,他の天体における X 線源からの放射,例えばオーロラ,太陽からの X 線の散乱,太陽風イオンと大気の中性粒子との電荷交換反応などによる出力と近い.

オーロラ起源に関しては,冥王星は磁場を持つことは知られていないことと,ニューホライズンズの Alice UV spectrometer ではフライバイ時の冥王星からの大気光は検出されていないことから排除される.

また大気中のナノスケールのヘイズ粒子は太陽からの X 線を散乱しうるが,検出された X 線は太陽のスペクトルとは一致せず,また散乱 X 線に期待される強度は検出されたものよりも 100 倍以上小さい.

太陽風中の炭素・窒素・酸素イオンと大気の中性粒子との電荷交換は X 線源となり得る.また,ニューホライズンズによる冥王星からの中性粒子の散逸率の推定値 6 × 1025 も値としては十分である.

しかし,Solar Wind Around Pluto (SWAP) 装置による冥王星の位置での太陽風の強度の観測からは,その場所での太陽風の陽子密度と速度が測定されているが,その値は観測された X 線放射の説明のためには小さすぎることがわかっている.ただし,太陽風がその場所で集約されて増加していた場合は別である.

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