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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1611.08735
Evans et al. (2016)
WASP-20 is a close visual binary with a transiting hot Jupiter
(WASP-20 はトランジットホットジュピターを持つ近接した実視連星)

概要

WASP-20 が近接した実視連星であることを発見した.2 つの恒星は 0.2578” 離れており,両者のフラックス比は K バンドで 0.4639 であった.

これまではこの系は単一の F9V 星と思われており,測光観測データと視線速度観測データから,低密度のトランジットを起こすガス惑星の存在が分かっていた.2 つの恒星の射影した間隔はおよそ 60 AU で,検出されていたトランジット惑星のシグナルはほぼ確実に明るい方のものだろうと考えられる.

過去の観測を 2 つの ’planet transits A’ (惑星は明るい WASP-20A をトランジットしているとするシナリオ) と ‘planet transits B’ (暗い方の WASP-20B をトランジットしているとするもの) のシナリオに分けそれぞれ検証した.

その結果,どちらもガス惑星のトランジットとしては整合的であった.しかし観測されたトランジット継続時間からは,惑星が WASP-20B をトランジットしているとすると WASP-20B は極めて進化している必要がある.これは WASP-20A よりずっと年老いている必要があるということである.これは考えづらいため, B のシナリオは排除される.

シナリオ A の場合,WASP-20b の質量と半径はこれまでの測定値 (単独星だとみなして推定されていた値) よりそれぞれ 4 σ と 1 σ 増加する.

過去の観測 (Anderson et al. 2015) では,単一の晩期 F 型星のまわりに,ホットサターンが 4.9 日周期で公転しているとした.WASP-20b は非常に低密度で表面重力が弱く,平均密度は木星の 0.099 倍で,WASP-17 (Anderson et al. 2010など) や TrES-4 (Sozzetti et al. 2015) と同じく,極めて低密度の星の仲間である.

これまでに,2014 年にこの天体を 1.5 m Danish Telescope at La Silla の Two Colour Instrument で観測したが,その時は伴星を分解できなかった.今回は,VLT/SPHERE での測光と分光観測を行って,WASP-20A と WASP-20B の連星であることを発見した.

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