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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1612.02072
Wittenmyer et al. (2016)
The Anglo-Australian Planet Search XXV: A Candidate Massive Saturn Analog Orbiting HD 30177
(The Anglo-Australian Planet Search XXV:HD 30177 を公転する重い土星候補天体)
この恒星の周りには,過去の観測で既に重い惑星 HD 30177b が発見されている (軌道長半径 3.8 AU,最小質量 9.7 木星質量).
今回発見されたのは HD 30177c である.この系における土星的な存在であると言える.軌道長半径は 9.9 AU,最小質量は 7.6 木星質量である.
パラメータのベストフィット解では,上記の解析よりやや中心星に近い ~ 7 AU 程度の値を示すが,詳細な N 体力学シミュレーションによるとこの惑星配置は不安定である.より長周期で低軌道離心率の解の浅い極小値が力学的に安定であると分かり,従ってここではこの長周期軌道を採用した.
ここで提案した ~ 32 年周期の軌道は不完全であり,この系のさらなる観測と,その他の恒星周りの長周期の惑星の観測によって,土星と似たような軌道間隔 ~ 10 AU である遠距離のガス惑星を持つ系のグループについて明らかにする必要があるだろう.
距離:54.7 pc
質量:0.951 太陽質量 (Takeda et al. 2007) or 1.05 太陽質量 (Santos et al. 2013) or 0.988 太陽質量 (Sousa et al. 2011)
金属量:[Fe/H] = 0.33 (Franchini et al. 2014)
有効温度:5580 K
年齢:11.6 Gyr
中心星は年老いた太陽類似星で,太陽の質量との差は 5%以内である.太陽からおおよそ 54.7 pc の距離にあり,金属量は太陽の概ね二倍である.
惑星の HD 30177b は Tinney et al. (2003) によって検出され,後に Butler et al. (2006) によってパラメータの情報が更新された.
軌道周期:11613 日
軌道離心率:e=0.22
最小質量:7.6 木星質量
軌道長半径:9.89 AU
なお,力学的に不安定なベストフィット解は,軌道周期 7601 日,軌道離心率 e = 0.31,最小質量 3.32 木星質量,軌道長半径 7.45 AU であった.
arXiv:1612.02072
Wittenmyer et al. (2016)
The Anglo-Australian Planet Search XXV: A Candidate Massive Saturn Analog Orbiting HD 30177
(The Anglo-Australian Planet Search XXV:HD 30177 を公転する重い土星候補天体)
概要
視線速度法によって,HD 30177 の周りに長周期の巨大惑星を発見した.この恒星の周りには,過去の観測で既に重い惑星 HD 30177b が発見されている (軌道長半径 3.8 AU,最小質量 9.7 木星質量).
今回発見されたのは HD 30177c である.この系における土星的な存在であると言える.軌道長半径は 9.9 AU,最小質量は 7.6 木星質量である.
パラメータのベストフィット解では,上記の解析よりやや中心星に近い ~ 7 AU 程度の値を示すが,詳細な N 体力学シミュレーションによるとこの惑星配置は不安定である.より長周期で低軌道離心率の解の浅い極小値が力学的に安定であると分かり,従ってここではこの長周期軌道を採用した.
ここで提案した ~ 32 年周期の軌道は不完全であり,この系のさらなる観測と,その他の恒星周りの長周期の惑星の観測によって,土星と似たような軌道間隔 ~ 10 AU である遠距離のガス惑星を持つ系のグループについて明らかにする必要があるだろう.
パラメータ
HD 30177
スペクトル型:G8V距離:54.7 pc
質量:0.951 太陽質量 (Takeda et al. 2007) or 1.05 太陽質量 (Santos et al. 2013) or 0.988 太陽質量 (Sousa et al. 2011)
金属量:[Fe/H] = 0.33 (Franchini et al. 2014)
有効温度:5580 K
年齢:11.6 Gyr
中心星は年老いた太陽類似星で,太陽の質量との差は 5%以内である.太陽からおおよそ 54.7 pc の距離にあり,金属量は太陽の概ね二倍である.
惑星の HD 30177b は Tinney et al. (2003) によって検出され,後に Butler et al. (2006) によってパラメータの情報が更新された.
HD 30177c
(※安定な長周期の解からのパラメータ)軌道周期:11613 日
軌道離心率:e=0.22
最小質量:7.6 木星質量
軌道長半径:9.89 AU
なお,力学的に不安定なベストフィット解は,軌道周期 7601 日,軌道離心率 e = 0.31,最小質量 3.32 木星質量,軌道長半径 7.45 AU であった.
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