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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1612.05624
Fossati et al. (2016)
Aeronomical constraints to the minimum mass and maximum radius of hot low-mass planets
(高温の低質量惑星の最小質量と最大半径の超高層大気からの制限)

概要

近年の大量の近接低密度惑星の発見を受け,流体力学的効果とロッシュローブの効果を取り入れて,ジーンズ散逸パラメータ (Jeans escape parameter) を一般化した.

ここでは,早期 G 型星,K 型星,M 型星の周りを公転する,平衡温度 500 K, 1000 K の,5, 10 地球質量の惑星について考える.晴れた大気 (雲が存在しない) を仮定し,またエネルギー律速の大気散逸 (高エネルギーの恒星放射の吸収によって引き起こされる加熱からのみなる) の公式から得られた散逸率と,ボロメトリックな加熱を考慮した流体力学的な大気のコードからの散逸率を比較した.

その結果,ジーンズ散逸パラメータ Λ が 15 - 35 より小さい惑星は “boil-off” 状態であることが分かった.この boil-off 状態は,大気散逸が大気の熱エネルギーと惑星の小さい重力によって駆動されている領域である.

惑星の平衡温度が 1000 K 以上程度と高温で,かつ質量が 5 地球質量以下と軽い場合,Λ < 15 - 35 の値を持つ惑星の大気と惑星半径は小さく収縮するため,それに伴って Λ は 15 - 35 より大きくなる,従って boil-off 状態から外れることになる.この変化は,500 Myr より短い期間に起きる.
また,惑星のロッシュローブ半径が小さくなるため,高温 (平衡温度 1000 K 以上程度) で重い (10 地球質量以下) で Λ < 15 - 35 の惑星でも,M 型星を周回している場合は同じ現象が起きる.

このパラメータ領域の中にある,高齢で水素主体の組成を持つ惑星の場合,Λ は 15 - 35 より大きくなっている必要がある.これは,惑星の最小質量と最大半径に対する強い制限を与える.この制限は,惑星大気中のエアロゾルの存在の予言や惑星質量の制限,あるいはその両方に使うことが出来る.

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