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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1701.05564
Robinson (2017)
A Theory of Exoplanet Transits with Light Scattering
(光の散乱を考慮した系外惑星トランジットの理論)

概要

系外惑星のトランジット分光観測から,その惑星の特徴付けをすることが出来る.また将来的な NASA のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡では,トランジット分光観測から重要な結果が得られるだろう.

しかしトランジットの大気スペクトルモデルはしばしば単純化されていて,重要かもしれないプロセス,例えば大気での屈折や多重散乱などが無視されている.前者のプロセスは最近発展しているが,系外惑星のトランジットスペクトルにおける光の多重散乱の影響はこれまであまり注目されてこなかった.

ここでは,屈折や多重散乱を含んだ系外惑星のトランジット分光観測に関する詳細な理論を構築する.特に,惑星全体に広がった雲層での散乱の重要性について調べた.

この雲層において重要なパラメータは,斜め方向の散乱光学的深さ,散乱非対称パラメータ,そして中心星の角サイズである.後者は,観測者から見た時の,光子にとっての “ターゲット” のサイズを決める.
ここでの結果は,トランジットスペクトルに対する多重散乱の重要性を示唆するものになった.

惑星の軌道距離が恒星半径の 10 - 20 倍よりも小さい場合,散乱の非対称パラメータが 0.8 - 0.9 より大きいエアロゾルの多重散乱によるスペクトルへの影響は大きくなる.
ここで,ホットジュピターのトランジット透過光スペクトルへの,雲やヘイズによる多重散乱の影響の例を示す.前方散乱で一定量の散乱をする雲・ヘイズが存在する場合,多重散乱効果を考慮したことによるトランジット深さの違いは 200 ppm を超える.しかし,強いガスの吸収に対応する波長域では差はゼロに近づき,あるいは雲の斜めの光学的深さが数十を超える場合も同様の結果となる.

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