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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1702.00013
Petigura et al. (2017)
Four Sub-Saturns with Dissimilar Densities: Windows into Planetary Cores and Envelopes
(異なる密度を持った 4 つのサブサターン:惑星の核とエンベロープを知るための手がかり)

概要

Keck/HIRES による視線速度観測の結果を報告する.

今回の観測は,土星より小さいサイズの惑星である,K2-27b, K2-32b, K2-38b, K2-108b が対象である.観測の目標は,これらの惑星の質量と軌道と重元素量の存在度を理解することである.

これらの惑星のサイズはどれも似ているが (4.5 - 5.5 地球半径),質量は異なる (16 - 60 地球質量).この事は,これらの惑星のコアとエンベロープ質量の多様性を示唆している.

K2-32b は最も軽い 16.5 ± 2.7 地球質量を持つ.また,この惑星の軌道は,別の 2 つの海王星より小さい惑星との 3:2:1 の軌道周期の尽数関係に近い.

K2-27b と K2-39b はより質量が重く,30.9 ± 4.6 地球質量と 39.8 ± 4.4 地球質量である.またこれらの系からは,他の惑星の存在を示すシグナルは検出されなかった.

K2-108b は最も重く 59.4 ± 4.4 地球質量である.この質量は,この惑星には重元素が 50 地球質量程度存在していることを示唆する.

土星より小さい天体全体では,サイズに対する惑星の質量は大きな多様性があることが分かっている.質量とサイズの間の相関は著しく弱い.そのため,土星より軽い程度の惑星 (sub-Saturn,サブサターン) はサイズに関わらず 6 - 60 地球質量程度の範囲になる.

また,惑星の質量と中心星の金属量の間に強い相関を発見した.この事は,金属量が豊富な円盤から,より重い惑星のコアが誕生したことを示唆している.

最も重い部類の sub-Saturns は,その系内に別の惑星を持つものが少なく,また軌道離心率が若干大きい軌道を持つ傾向にある.これは,過去の段階での力学的な軌道不安定を示唆するものかもしれない.

また,惑星のエンベロープの割合と現在の平衡温度の間には僅かな相関しか見られなかった.これは,原始惑星系円盤から降着した gas sub-Saturns の量を決めるのには,大気の光蒸発は主要な役割を果たさない事を示唆する.

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