×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1702.06356
Michikoshi & Kokubo (2017)
Simulating the Smallest Ring World of Chariklo
(カリクローの最小のリング系のシミュレーション)
カリクローの環の性質を調べるため,自己重力的な衝突系粒子を用いた環のグローバルな N 体シミュレーションを初めて行った.
その結果カリクローの環においては,環の物質の速い拡散を防ぐためには,カリクローは環の物質よりも高密度である必要があるということを発見した.
もしカリクローが環の物質より高密度であれば,自己重力ウェイク (self-gravity wakes) と呼ばれる微細な渦状構造が内側の環の中に生じる.これらのウェイクは環の粘性拡散を加速し,またこれらはメートルサイズの粒子に対しては 100 年程度の典型的な拡散のタイムスケールを持つ.これは過去の研究から示唆されるタイムスケールよりも短い.
これらの結果より,カリクローの周りに細い環が存在するということは,環を構成する粒子は小さいか,あるいは羊飼い衛星が存在しているということが示唆される.
arXiv:1702.06356
Michikoshi & Kokubo (2017)
Simulating the Smallest Ring World of Chariklo
(カリクローの最小のリング系のシミュレーション)
概要
ケンタウルス族の Chariklo (カリクロー) の周りには,2 つの濃く細い環が発見されている.小さい天体の周りのこのような環の存在は,多くの疑問点を提起する.例えば,環の起源,安定性と寿命などである.カリクローの環の性質を調べるため,自己重力的な衝突系粒子を用いた環のグローバルな N 体シミュレーションを初めて行った.
その結果カリクローの環においては,環の物質の速い拡散を防ぐためには,カリクローは環の物質よりも高密度である必要があるということを発見した.
もしカリクローが環の物質より高密度であれば,自己重力ウェイク (self-gravity wakes) と呼ばれる微細な渦状構造が内側の環の中に生じる.これらのウェイクは環の粘性拡散を加速し,またこれらはメートルサイズの粒子に対しては 100 年程度の典型的な拡散のタイムスケールを持つ.これは過去の研究から示唆されるタイムスケールよりも短い.
これらの結果より,カリクローの周りに細い環が存在するということは,環を構成する粒子は小さいか,あるいは羊飼い衛星が存在しているということが示唆される.
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック