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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.03622
Vidotto & Donati (2017)
Predicting radio emission from the newborn hot Jupiter V830 Tau and its host star
(若いホットジュピター V830 Tau とその主星からの電波放射の予言)

概要

磁場を持った系外惑星は,地球と木星のオーロラ電波放射と同様に,電波の周波数での放射を持つことが期待される.ここでは,これまでに発見されている中で最も若い (~ 2 Myr) 系外惑星である V830 Tau b (おうし座V830星b) からの電波放射を理論的に予測する.

このモデルでは,再構築された恒星の表面磁場を考慮に入れた 3 次元磁気流体シミュレーションを用いて主星の恒星風をモデル化した.このシミュレーション結果から,V830 Tau b 周辺環境の局所的なコンディションに制限を与えることが出来る.その後,惑星周辺環境からの電波放射について計算した.

計算の結果,期待される電波放射密度は 6 - 24 mJy の範囲である.この値の大きさは惑星の半径の見積もり (1 - 2 木星半径) に依存する.またこの電波フラックスは惑星が軌道を動く間一定ではない.極大値は平均値より最大で 2 倍程度になると予測される.

このフラックスは,極での推定される惑星磁場の値 (10 - 100 G) に弱く依存する (変化の大きさはファクター 1.8) ことが分かった.反対に,放射の最大周波数は 18 - 240 MHz まで変化する.

また,恒星風からの熱的電波放射の強度も推定した.

この計算結果を,Karl G. Jansky Very Large Array と Very Long Baseline Array でのこの系の観測と比較した.そこから,恒星の質量放出率は 3 × 10-9 太陽質量/年 以下であると推定した.具体的な値は,おそらく ~ 10-12 - 10-10 太陽質量/年 の範囲である.

これらの値から,電波放射している恒星風の広がりは,275 - 50 MHz の範囲で ~ 3 - 30 恒星半径まで広がっていると推定される.このことは,中心星から 6.1 恒星半径の場所に位置する V830 Tau b は,中心星の恒星風が電波の波長に対して光学的に厚いが,そこまで深くない領域の中にあることを示唆する.

また惑星からの電波放射は,サイクロトロン放射の周波数が恒星風のプラズマ周波数を上回ったときのみ,恒星風の中を伝播できるということを指摘する.言い換えれば,惑星からの電波放射が中心星の恒星風の中を伝播するためには,惑星の磁場は ~ 1.3 - 13 G より大きい必要がある

ここでの電波放射の計算は太陽系内惑星のアナロジーを元にしているため,この計算はあくまで推定として考慮されるべきものである.とは言え,V830 Tau 系は惑星と中心星の恒星風の両方からの電波放射観測を計画する対象として,非常に興味深い.

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