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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1703.04296
Brucalassi et al. (2017)
Search for giant planets in M67 IV: survey results
(M67 での巨大惑星の探査 iV:サーベイの結果)
このサーベイの主な目的は,散在星 (field star) と比較した時の,星団内での巨大惑星の存在頻度について調べることである.また,ここで観測したサンプルは,巨大惑星を持つ恒星と持たない恒星の化学組成の比較を長期間に渡って詳細に行うのに適している.
観測は,European Southern Observatory (La Silla) の HARPS 分光器,Observatoire de Haute-Provence (France) のSOPHIE 分光器,Hobby Eberly Telescope (Texas) の HRS 分光器,Telescopio Nazionale Galileo (La Palma) の HARPS-N で行われた.また,追加の視線速度データは,Euler Swiss Telescope (La Silla) の CORALIE 分光器から得られた.
これらの視線速度サーベイの中で,巨大惑星の存在頻度を推定するためにモンテカルロシミュレーションを行った.シミュレーションでは,軌道周期が 1.0 - 1000 日で,惑星質量が 0.2 - 10.0 木星質量のものを考慮した.観測的な検出効率を,それぞれの星の惑星の存在頻度を決定するための尺度として用いた.
ここでは,この視線速度キャンペーンでこれまでに報告されている全ての惑星の性質をまとめる.これまでに発見されているのは,主系列星 YBP1194,YBP1514,YBP401 のまわりの 3 つのホットジュピターと,進化した恒星 S364 の周りの 1 つの巨大惑星である.
さらに,YBP778 と S978 のまわりの 2 つの惑星候補シグナルについても解析した.後者の 2 天体については,長周期の視線速度のトレンドを解析した結果,これまで発見されていなかった伴星か準恒星天体と思われる.これにより,このキャンペーンで検出された連星候補 (伴星は恒星・褐色矮星・惑星を含む) の合計は 14 個に増えた.
このサーベイでドップラー法で発見された惑星を元にすると,選択された周期-質量の範囲の中では,巨大惑星の存在頻度は ~ 18.0 (+12.0, -8.0)%となった.この頻度は散在星での値よりも僅かに大きいが,誤算の範囲内で整合的である.しかし,ホットジュピターの存在頻度 ~ 5.7 (+5.5, -3.0)%は,散在星での値よりも十分に大きい.
arXiv:1703.04296
Brucalassi et al. (2017)
Search for giant planets in M67 IV: survey results
(M67 での巨大惑星の探査 iV:サーベイの結果)
概要
散開星団 M67 の中にある,太陽と同年代で太陽と同程度の金属量を持つ恒星における木星質量惑星の検出を目的とした,星団中の 88 個の主系列星および進化した恒星のサンプルの,7 年間に渡る視線速度サーベイの結果を報告する.このサーベイの主な目的は,散在星 (field star) と比較した時の,星団内での巨大惑星の存在頻度について調べることである.また,ここで観測したサンプルは,巨大惑星を持つ恒星と持たない恒星の化学組成の比較を長期間に渡って詳細に行うのに適している.
観測は,European Southern Observatory (La Silla) の HARPS 分光器,Observatoire de Haute-Provence (France) のSOPHIE 分光器,Hobby Eberly Telescope (Texas) の HRS 分光器,Telescopio Nazionale Galileo (La Palma) の HARPS-N で行われた.また,追加の視線速度データは,Euler Swiss Telescope (La Silla) の CORALIE 分光器から得られた.
これらの視線速度サーベイの中で,巨大惑星の存在頻度を推定するためにモンテカルロシミュレーションを行った.シミュレーションでは,軌道周期が 1.0 - 1000 日で,惑星質量が 0.2 - 10.0 木星質量のものを考慮した.観測的な検出効率を,それぞれの星の惑星の存在頻度を決定するための尺度として用いた.
ここでは,この視線速度キャンペーンでこれまでに報告されている全ての惑星の性質をまとめる.これまでに発見されているのは,主系列星 YBP1194,YBP1514,YBP401 のまわりの 3 つのホットジュピターと,進化した恒星 S364 の周りの 1 つの巨大惑星である.
さらに,YBP778 と S978 のまわりの 2 つの惑星候補シグナルについても解析した.後者の 2 天体については,長周期の視線速度のトレンドを解析した結果,これまで発見されていなかった伴星か準恒星天体と思われる.これにより,このキャンペーンで検出された連星候補 (伴星は恒星・褐色矮星・惑星を含む) の合計は 14 個に増えた.
このサーベイでドップラー法で発見された惑星を元にすると,選択された周期-質量の範囲の中では,巨大惑星の存在頻度は ~ 18.0 (+12.0, -8.0)%となった.この頻度は散在星での値よりも僅かに大きいが,誤算の範囲内で整合的である.しかし,ホットジュピターの存在頻度 ~ 5.7 (+5.5, -3.0)%は,散在星での値よりも十分に大きい.
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