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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.05815
Wolf (2017)
Assessing the Habitability of the TRAPPIST-1 System Using a 3D Climate Model
(三次元気候モデルを用いた TRAPPIST-1 系の生命存在可能性の評価)

概要

TRAPPIST-1 系は,複数地球型系外惑星系と,それらの惑星の大気を研究する非常に良い対象である.ここでは,National Center for Atmospheric Research Community Atmosphere Model の ver.4 を用いて,TRAPPIST-1 系の惑星の有り得る気候と生命存在可能性について調査した.

惑星が海に覆われた環境を仮定し,大気組成は窒素,二酸化炭素,水蒸気を仮定した.また,惑星の軌道と地球物理的な特性は,観測から得られている情報を使用した.

モデル計算の結果は,内側の 3 惑星 TRAPPIST-1b, c, d については,現在は一般的な液体の水のハビタブルゾーンの内縁よりも内側に存在することを示唆する.そのため,もし過去に 3 惑星に水が存在した場合,暴走温室効果を起こして宇宙空間へ水は散逸し,現在は乾燥した環境だろうと考えられる.

反対に,外側の 3 惑星 TRAPPIST-1f, g, h は,二酸化炭素の最大温室効果によるハビタブルゾーンの外縁よりも外にあるという結果となった.そのためこれらの外側の惑星は,30 bar 程度の二酸化炭素大気がある場合を除けば十分に温かい環境にはなれず,かわりに全球凍結状態になるだろうと考えられる.

中間の惑星 TRAPPIST-1e は,現在も海に覆われたハビタブル惑星である可能性がある.TRAPPIST-1e は,背景ガスの窒素の量に依存して,0 - 2 bar の二酸化炭素があれば,少なくとも一定のハビタブルな表面を持つことが出来る.海に覆われた惑星 TRAPPIST-1e が最近の地球の表面温度を保つためには,1 bar の窒素 + 0.4 bar の二酸化炭素の混合大気か,1.3 bar の純粋な二酸化炭素大気を持つかのどちらかが必要である.

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