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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.10250
Pepper et al. (2017)
A Low-Mass Exoplanet Candidate Detected By K2 Transiting the Praesepe M Dwarf JS 183
(プレセペ星団の M 型矮星 JS 183 をトランジットする K2 によって検出された低質量系外惑星候補)

概要

プレセペ星団中の低質量の恒星における反復的な測光シグナルの発見を報告する.このシグナルは,海王星サイズのトランジット惑星によるものと解釈される.

シグナルが検出された恒星は JS 183 (別名:HSHJ 163,EPIC 211016756) である.有効温度は 3325 K.0.44 太陽質量,0.44 太陽半径である.
惑星の軌道周期は 10.134588 日であり,サイズは 0.32 木星半径である.

中心星は暗く,V バンド等級が 16.5,J バンド等級が 13.3 であったため,視線速度の測定は得られず,惑星質量の得られなかった.しかし惑星質量に対して 1.7 木星質量という上限を与えた.そのため,惑星の上限質量を十分下回っている.

JS 183b (もしくは K2-95b と呼称) は,年齢が数百万年の散開星団中にケプラーの K2 ミッションによって発見された 2 番目のトランジット惑星である.どちらもおおよそ海王星サイズであり,中期 M 型星を公転している.

惑星のトランジットから恒星の密度は精度よく決定されている.この恒星密度と,星団内の恒星の観測から独立して得られている恒星の金属量から,JS 183 は全対流を起こす質量の境界付近での恒星モデルを検証するのに適した対象である.JS 183 は全対流を起こすパラメータの境界に位置する恒星であり,トランジット惑星を持っている恒星の中では最も低密度の恒星である.

パラメータ

JS 183
質量:0.44 太陽質量
半径:0.44 太陽半径
有効温度:3350 K
金属量:[Fe/H] = 0.1
K2-95b (JS 183b)
半径:0.32 木星半径
質量:1.67 木星質量未満
平衡温度:480 K
※注釈
天体名に付いている JS は,プレセペ星団内の恒星を詳細に観測した論文 Jones & Stauffer (1991) から取られている.ここでは全 765 個のプレセペ星団内の恒星がカタログ化されており,NGC 2632 JS 183 という表記がされる場合もある (NGC 2632 はプレセペ星団の別名).

また,別名の HSHJ は,同じくプレセペ星団内の恒星を詳細に観測した論文 Hambly et al. (1995) から来ている.この論文の著者は Hambly, Steele, Hawkins, Jameson であり.頭文字を取って HSHJ [番号] としている.この論文中では 515 個の恒星がカタログ化されており,NGC 2632 HSHJ 163 という表記がされる場合もある.

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