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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.10769
Nagakane et al. (2017)
MOA-2012-BLG-505Lb: A super-Earth mass planet in the Galactic bulge
(MOA-2012-BLG-505Lb:銀河バルジ内のスーパーアース質量惑星)

概要

MOA-2012-BLG-505 の重力マイクロレンズイベント中に,スーパーアース質量の惑星 MOA-2012-BLG-505Lb を発見した.このイベントは,惑星質量の伴星の兆候が見られるレンズイベントの中では,2 番目に短いイベントタイムスケール 10 ± 1 日であった.15 分ペースの高頻度サーベイ観測スケジュールのおかげで,短く微細な惑星によるシグナルを捉えることが出来た.

この系は,マイクロレンズイベントにありがちな close/wide の縮退がある.惑星と中心星の質量比は 2.1 × 10-4である.中心星と惑星の射影間隔は,アインシュタイン半径で規格化して 1.1 か 0.9 となった.前者が wide の解,後者が close の解に対応している.

また,ベイズ解析を用いてこの系の物理パラメータを推定した.その結果,レンズ天体 MOA-2012-BLG-505L は 0.10 (+0.16, -0.05) 太陽質量を持つ,褐色矮星もしくは晩期 M 型星であり,惑星質量は 6.7 地球質量.恒星と惑星の間隔は 0.9 AU と推定される.

惑星が検出されたレンズ天体系は 7.2 kpc の距離にあるため,この系は銀河バルジの中にあると考えられる.測定された小さなアインシュタイン角半径 (0.12 mas) と,短いレンズイベントのタイムスケールは,銀河バルジ内での低質量のレンズイベントに典型的な特徴である.

短いマイクロレンズイベントでの惑星の検出効率は比較的低いため,銀河バルジ中の低質量惑星系は検出が難しく珍しい.今回の発見は,このような低質量の惑星系は銀河バルジ内には豊富に存在することを示唆するものである.現在進行中の高頻度サーベイ観測によって,このような惑星系の存在度が明らかになるだろう.

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