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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1704.01511
Young et al. (2017)
Structure and Composition of Pluto's atmosphere from the New Horizons Solar Ultraviolet Occultation
(ニューホライズンズの太陽紫外線掩蔽からの冥王星大気の構造と組成)

概要

NASA の ニューホライズンズ (New Horizons) 探査機の Alice 装置で,2015 年 7 月 14 日に冥王星の大気による太陽紫外線の掩蔽を観測した.その結果について報告する.

大気透過光と高度の関係は,N2,CH4,C2H2,C2H4,C2H6 およびヘイズの存在に敏感である.ここで,5 つの分子種に対して,視線方向の局所的な個数密度と存在度を導出した.また視線方向の光学的深さとヘイズの減衰係数も推定した.

その結果,以下のような主要な結果を得た.

(1) ニューホライズンズがフライバイする前に想定されていたよりも冥王星の高層大気は低温であり,65 - 68 K と推定される.ここから示唆される冥王星大気のジーンズ散逸率は 3 - 7 × 1022 N2 s-1と,4 - 8 × 1025 CH4 s-1 となる.これは外気圏の底部 (exobase) での値であり.外気圏底部は半径 ~ 2900 km,あるいは地表からの高度 ~ 1710 km に位置している.

(2) 表面から 80 - 1200 km の高度での CH4 の存在度を測定した.Alice の CH4 観測と Alice および REX の N2 測定の共同解析より,下層大気は非常に安定で小さい渦拡散係数を持つことが示唆された.

渦拡散係数はおそらく 550 - 4000 cm2 s-1 の間の値である.このような小さい渦拡散係数が表面から 12 km 以内の均質圏界面 (homopause) に位置しているため,冥王星は小さい惑星境界層を持つ.

また,示唆される CH4 の表面での混合比は 0.28 - 0.35%であった.

(3) “C2Hx 炭化水素” (C2H2,C2H4,C2H6) の存在度の分布は,シンプルな高度の指数関数的なものでは無かった.

視線方向の存在度では,C2H4 では高度 410 km 程度に極大を持ち,C2H2 では 320 km に極大を持つ.また C2H6 は,変曲点もしくは極小値を示唆する構造が 260 km に見られた.

また C2H4 は 200 km 付近の高度に極小を持つことを検出した.C2H2 では 170 km 付近に極小を持ち,C2H6 では 変曲点もしくは極小値が 170 - 200 km に位置している.

これらは,炭化水素の生成が 300 - 400 km で起きており,ヘイズの凝縮が起こるのが 200 km 付近であるとするモデルと遜色がない.特に C2H2 と C2H4 に関してはそれが顕著である (Wong et al. 2017).

(4) ヘイズの減衰係数は,N2 密度におおよそ比例する事を発見した.

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