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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1507.05499
Loren-Aguilar & Bate (2015)
Toroidal vortices and the conglomeration of dust into rings in protoplanetary discs
(原始惑星系円盤中のトロイダルな渦とダストのリング状への集積)
この不安定は、円盤内でのダスト粒子の集積の原因となる可能性がある。
円盤内でダストが沈殿すると、鉛直方向の組成によるエントロピー勾配が生成される。このエントロピー勾配が不安定性の原因である。
エントロピーの勾配の存在は、傾圧不安定の原因となり、トロイダルなガスの渦を生み出す。これがダストを円盤内でリング状に掃き集める効果となる。
不安定によって形成されたダストによるリング構造は、ダストの連続光放射か散乱光によって観測可能である。(ALMA望遠鏡によるミリ波またはサブミリ波観測)
これは、HL TauやTW Hyaなどで発見されているリング構造の生成に寄与する可能性がある。このリング形成メカニズムは惑星が不要である。
そのほか、この不安定性はダストの集積、大きな微惑星の半径方向の移動、円盤内の角運動量輸送に関係するかもしれない。
この不安定性と、その他の円盤内での不安定性(dust streaming instability、熱的傾圧不安定、磁気回転不安定、重力不安定)との関係はまだ不明瞭である。
また、~ 10 m程度より大きいダスト粒子はガスと結合していないため、不安定を駆動しない。
しかし、小さい粒子によって駆動された渦は大きな粒子の半径方向の移動に影響を及ぼす可能性がある。もしメートルサイズの粒子の落下が止まるか減速されるかすれば、惑星形成にも寄与する。
arXiv:1507.05361
Hwang et al. (2015)
KMT-2015-1b: a Giant Planet Orbiting a Low-mass Dwarf Host Star Discovered by a New High-cadence Microlensing Survey with a Global Telescope Network
(KMT-2015-1b:新しい重力マイクロレンズ惑星探査による、低質量星まわりの巨大惑星の発見)
M-dwarfのまわりの巨大惑星を発見した。
中心星質量は 0.18 ± 0.12太陽質量、惑星質量は 2.2 ± 1.4木星質量。
投影された距離は 0.76 ± 0.08 AUであり、これはsnow lineの外側の惑星である。
(一般論として、重力マイクロレンズ法はsnow line周辺か外側の系外惑星探査に適している)
KMTNetは以下の場所に3つの望遠鏡を持つ。
・Cerro Tololo Inter-American Observatory (セロ・トロロ汎米天文台)、チリ (KMT CTIO)
・South African Astronomical Observatory (南アフリカ天文台)、南アフリカ (KMT SAAO)
・Siding Spring Observatory (サイディング・スプリング天文台)、オーストラリア (KMT SSO)
いずれも1.6m口径の望遠鏡で。4つの9K×9K CCDを持つ。
なおこの惑星の発見時は KMT SSOはオンラインではなかったため、2つの望遠鏡による観測である。
arXiv:1507.05499
Loren-Aguilar & Bate (2015)
Toroidal vortices and the conglomeration of dust into rings in protoplanetary discs
(原始惑星系円盤中のトロイダルな渦とダストのリング状への集積)
概要
原始惑星系円盤内での新しい流体力学的不安定を発見した。これはdust-to-gas ratio (ダストガス比)の変動に起因するものである。この不安定は、円盤内でのダスト粒子の集積の原因となる可能性がある。
円盤内でダストが沈殿すると、鉛直方向の組成によるエントロピー勾配が生成される。このエントロピー勾配が不安定性の原因である。
エントロピーの勾配の存在は、傾圧不安定の原因となり、トロイダルなガスの渦を生み出す。これがダストを円盤内でリング状に掃き集める効果となる。
不安定によって形成されたダストによるリング構造は、ダストの連続光放射か散乱光によって観測可能である。(ALMA望遠鏡によるミリ波またはサブミリ波観測)
これは、HL TauやTW Hyaなどで発見されているリング構造の生成に寄与する可能性がある。このリング形成メカニズムは惑星が不要である。
そのほか、この不安定性はダストの集積、大きな微惑星の半径方向の移動、円盤内の角運動量輸送に関係するかもしれない。
計算、その他
シミュレーションにはSPHコードを使用。この不安定性と、その他の円盤内での不安定性(dust streaming instability、熱的傾圧不安定、磁気回転不安定、重力不安定)との関係はまだ不明瞭である。
また、~ 10 m程度より大きいダスト粒子はガスと結合していないため、不安定を駆動しない。
しかし、小さい粒子によって駆動された渦は大きな粒子の半径方向の移動に影響を及ぼす可能性がある。もしメートルサイズの粒子の落下が止まるか減速されるかすれば、惑星形成にも寄与する。
arXiv:1507.05361
Hwang et al. (2015)
KMT-2015-1b: a Giant Planet Orbiting a Low-mass Dwarf Host Star Discovered by a New High-cadence Microlensing Survey with a Global Telescope Network
(KMT-2015-1b:新しい重力マイクロレンズ惑星探査による、低質量星まわりの巨大惑星の発見)
概要
重力マイクロレンズ法を使用した系外惑星探査プロジェクト、KMTNetでの系外惑星KMT-2015-1bの発見報告。M-dwarfのまわりの巨大惑星を発見した。
中心星質量は 0.18 ± 0.12太陽質量、惑星質量は 2.2 ± 1.4木星質量。
投影された距離は 0.76 ± 0.08 AUであり、これはsnow lineの外側の惑星である。
(一般論として、重力マイクロレンズ法はsnow line周辺か外側の系外惑星探査に適している)
KMTNetについて
KMTNet (Korea Microlensing Telescope Network)は、2015年2月に稼働した重力マイクロレンズ法による系外惑星探査プロジェクトである。KMTNetは以下の場所に3つの望遠鏡を持つ。
・Cerro Tololo Inter-American Observatory (セロ・トロロ汎米天文台)、チリ (KMT CTIO)
・South African Astronomical Observatory (南アフリカ天文台)、南アフリカ (KMT SAAO)
・Siding Spring Observatory (サイディング・スプリング天文台)、オーストラリア (KMT SSO)
いずれも1.6m口径の望遠鏡で。4つの9K×9K CCDを持つ。
なおこの惑星の発見時は KMT SSOはオンラインではなかったため、2つの望遠鏡による観測である。
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