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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1705.05847
Kempton & Bean (2017)
An Observational Diagnostic for Distinguishing Between Clouds and Haze in Hot Exoplanet Atmospheres
(高温系外惑星大気中の雲とヘイズを区別するための観測的診断法)

概要

高温の系外惑星大気中でのエアロゾルの性質は,系外惑星の分野が直面している主要な厄介な問題である.エアロゾルに関連する複雑な化学過程,複数の形成過程,エアロゾルを同定できるスペクトルの特徴に関する情報の不足が,エアロゾルの主要な特性に制限をつけるのを難しくしている.

ここでは,最も輻射を受けている部類のホットジュピターにおけるエアロゾルの主要な形成機構を同定するための,透過分光手法を提案する.この手法は,エアロゾルには 2 つのタイプが存在するという予想に基づくものである.すなわち,光化学的に生成されたヘイズ,平衡状態の凝集物である雲の 2 タイプである.これらが非常に強い輻射を受ける惑星の大気中で,異なる領域に形成され存在すると仮定した.

ヘイズは潮汐固定されたホットジュピターの永久に昼側の領域のみで生成され,その後大気の運動によって下流方向に流され,夕方側の昼夜境界へと向かうと考えられる.これはトランジット中の trailing limb の部分として見える領域である.

雲は夜側の低温の領域と朝側の昼夜境界 (トランジット中の leading limb として見える領域) のみで生成されると考えられる.

これにより,トランジット時の惑星の両縁は,異なるタイプのエアロゾルによって影響を受けると考えられる.そのため,トランジットの入りと出の際のスペクトルから,主要なエアロゾル形成機構を明らかにすることが出来る.

ヘイズがある場合と雲がある場合のどちらのケースの場合でも,隣接した半球は晴れた空を持つと期待される.つまり,ヘイズで占められている大気の場合は,先行する半球が晴れた空を持ち,後行する半球はヘイズの多い大気を持つ.そのためトランジットの入りは晴れた空から入り,出の時はヘイズが占める空が残る.
逆に,雲で湿られている大気の場合は,先行する半球が雲の多い大気を持ち,後行する半球は晴れた空を持つ.そのためトランジットの入は雲の多い大気から入り,出の時は晴れた空が残ると考えられる.

この診断法を用いて,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や,あるいはハッブル宇宙望遠鏡での観測で,強い輻射を受けているホットジュピターの雲とヘイズの区別がつけられる可能性がある.

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