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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1705.06537
Suárez Mascareño et al. (2017)
HADES RV Programme with HARPS-N at TNG: V. A super-Earth on the inner edge of the habitable zone of the nearby M-dwarf GJ 625
(TNG の HARPS-N による HADES 視線速度プログラム:近傍の M 型矮星 GJ 625 のハビタブルゾーン内縁上のスーパーアース)

概要

HARPS-N 分光器で取得した視線速度データの解析に基づき,GJ 625 のハビタブルゾーンの内縁を公転するスーパーアースの発見を報告する.これは 3.5 年にわたる HARPS-N による 151 の視線速度の観測結果の解析によるものである.

発見された系外惑星 GJ 625b は,最小質量 2.82 ± 0.51 地球質量,軌道周期 14.628 ± 0.013 日,軌道長半径は 0.078 AU である.中心星の GJ 625 は静穏な M2V 星で,太陽から 6.5 pc の距離にある.

また,周期が 74 - 85 日の間の,二番目の視線速度シグナルも検出した.この変動は,中心星の Ca II H, K 線および Hα 線の観測の解析を元にすると,恒星の自転と関係していると考えられる.その他に,恒星の表面活動に起因すると思われる,短い周期の視線速度の変動の証拠は発見されなかった.

パラメータ

GJ 625
スペクトル型:M2V
有効温度:3499 K
金属量:[Fe/H] = -0.38
質量:0.30 太陽質量
半径:0.31 太陽半径
距離:6.49 pc
自転周期:77.8 ± 5.5 日
GJ 625b
軌道周期:14.628 日
軌道離心率:0.13
軌道長半径:0.078361 AU
最小質量:2.82 地球質量

議論

この惑星が地球と同程度の温室効果を持ち,ボンドアルベドが 0.3 の場合,平衡温度は 350 K になる.

Kasting et al. (1993) と Selsis et al. (2007) の結果に基づき,ハビタブルゾーンについて簡単な推定を行った.惑星大気が雲を持たず,ハビタブルゾーンの見積もりが最も狭い場合は 0.099 - 0.222 AU がハビタブルゾーンとなる.雲に覆われた状況を仮定した,広い場合の見積もりは 0.057 - 0.305 AU となる.

また,Kopparapu (2013) による雲なし大気の最も楽観的なハビタブルゾーンの見積もりの場合,ハビタブルゾーンの内縁は 0.088 AU となる.ハビタブルゾーンが惑星大気の雲の被覆率と共に進化すると考える場合,最も楽観的なハビタブルゾーンの内縁は 0.043 AU まで近くなる.これは完全に雲に覆われた状況を仮定した場合の見積もりである.
そのため GJ 625b は,その大気の状況次第では表面に液体の水を持ちうる (ハビタブルゾーンの内側に存在する可能性がある).

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