忍者ブログ
日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1706.05393
Muñoz-Gutiérrez & Winter (2017)
Long-term Evolution and Stability of Saturnian Small Satellites: Aegaeon, Methone, Anthe, and Pallene
(土星の小型衛星の長期進化と安定性:アイガイオン,メトネ,アンテ,パレネ)

概要

アイガイオン (Aegaeon)メトネ (Methone)アンテ (Anthe)パレネ (Pallene) は土星の小さい衛星で,土星探査機カッシーニによって発見された.

これらの衛星の軌道の特徴付けは多くの先行研究でされてきたが,これらの衛星の長期的な進化はこれまでに詳細には研究されてこなかった.ここでは,土星や,土星が持つ 5 つの最も大きい衛星,ヤヌス,エピメテウス,ミマス,エンケラドス,テチスによって作られる重力系での最大 105 年までの長期的な安定性を数値的に調査した.

数値計算の結果を頻度分析を用いて,小さい衛星の軌道の安定性を調査した.また,軌道長半径と軌道離心率の位相空間での広い範囲での力学的な振る舞いを diffusion map を用いた特徴づけを行った.これらの diffusion map は,ミマスに近い位置にいた小天体の可能な初期の数を明らかにできる.また,小型の衛星の力学的な起源のより良い理解に繋がる.

解析の結果,これらの 4 つの小型の衛星は長期的に安定であり,またカオス的な振る舞いは見せないことが分かった.アイガイオン,メトネ,アンテの 3 つは,少なくとも ~ 0.5 Myr の間は,現在の系の軌道配置の状況では軌道は変わらない.

これらの衛星はミマスとの共回転離心率共鳴に捕獲されており,これらは現在秤動を起こしている.しかし,近傍の共鳴からの擾乱,例えばミマスとのリンドブラッド離心率共鳴などは,メトネとアンテで見られるような,最も大きな変動の原因であるように思われる.

パレネは非共鳴軌道に留まり,上記の 3 衛星よりさらに安定である.少なくとも 64 Myr の間は安定であることが示された.とは言え,この衛星の軌道要素はミマスとの準共鳴に影響される.この影響の中には,衛星軌道の離心率と傾斜角の長周期の振動を含む.

拍手[0回]

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック