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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1507.06300
Margot (2015)
A Quantitative Criterion for Defining Planets
(惑星の定義の定量的な基準)

概要

この論文では、惑星もしくは系外惑星が、系の特徴的なタイムスケール内に軌道上を一掃しているかどうかのシンプルな基準を与える。

恒星質量、惑星質量、惑星の軌道周期のみから、99%の発見済みの系外惑星をクラス分けすることができる。
結果、太陽系内の8個の惑星と、分類可能な系外惑星の全ては惑星の条件を満たしている。
これによって、惑星の基準の簡単化と一般化が可能である。

(太陽系の)惑星の条件

2006年のIAU決議B5では、惑星の条件は
(a) 太陽の周りを公転している
(b) 自己重力が剛体力に打ち勝つのに十分な質量を持ち、(球形に近い)静水圧平衡の状態にある
(c) 軌道上の天体を一掃している

の3つ全てを満たしているものとされている。

ここでは、(c)の定義をシンプルな基準を用いて定量化する。

提案する惑星の基準

これまでの基準では、オールトの雲の形成過程を考え、恒星の寿命以内の時間に、彗星が惑星によって弾き飛ばされるという条件を課していた。
しかし(c)の条件は「軌道を一掃している」であるため、惑星が小天体を全て弾き飛ばす必要は無い。
軌道を一掃しているという条件を満たすためには、小天体が惑星からヒル半径の定数倍だけ離れていれば良いということになる。

小天体が惑星のfeeding zoneより外側へ行くには、定数倍は 2√3 が必要である。
より強い条件としては、10倍程度である。
ケプラーで発見された多重惑星系においては少なくとも10倍のヒル半径程度の軌道間隔があり、平均的には20ヒル半径の間隔がある。
この領域内を、系の寿命中に一掃できる質量を持つかどうかで、惑星か否かを判断する。
パルサー惑星の取り扱いは難しいが、これらも惑星に分類可能である。





惑星の定義の定量化についての論文です。
太陽系の惑星の定義はIAUによって定められ、結果として冥王星が惑星から外れることになりました。
冥王星が惑星から外れることになったのは、「軌道を一掃している」という条件を満たしていなかったからです。軌道を一掃しているというのは、言い換えればその軌道で支配的な天体となっているかどうかということです。

太陽系外惑星については、惑星の定義は定められていません。
この論文では、一定期間内に惑星が小天体を数倍のヒル半径の外に追いやることができる質量を考え、それが出来る質量を持つものを惑星と呼ぶという定義を提案しています。

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