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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1708.01621
Ginzburg et al. (2017)
Core-powered mass loss sculpts the radius distribution of small exoplanets
(コア駆動質量放出が小型系外惑星の半径分布を形作る)

概要

最近の観測では,小さい系外惑星の半径分布に "谷" が発見されている.これは,1.5 - 2.0 地球半径の惑星は,これより大きい惑星および小さい惑星と比べ,著しく存在個数が少なく,発見されている系外惑星の半径の分布図上で "谷" 状の欠乏領域を形成する.

この谷の存在は,重いガスのエンベロープに包まれているため半径が大きくなっている岩石惑星か,検出可能な大気を全く持たない岩石惑星の,二峰性の集団の存在を示唆する可能性がある.

この二峰性分布を説明するためのひとつの説は,恒星からの高エネルギーの光子による惑星大気の損失である.

ここではそれとは別の機構を提案する.軽いエンベロープを散逸される一方で重い物質は保持するような冷却岩石コアの光度は,中間サイズの惑星の欠乏の原因となりうる.

エンベロープの降着,冷却と質量放出を自己無撞着に考慮して惑星のポピュレーションを進化させた結果,恒星からの高エネルギーの入射フラックスの有無に関わらず,コア起源の質量放出は観測されている半径分布を自然に説明出来ることを示す.

Ginzburg et al. (2016) では,原始惑星系円盤が消失した後,冷却する大気の内層から放出される熱が,惑星にゆるやかに束縛された外層を解放することを示した.このタイムスケールは数百万年である.結果として,惑星の半径は岩石コアの 2 倍程度にまで収縮すると示した.

この段階からのガスエンベロープの運命は,ガスエンベロープの熱容量と岩石コアの熱容量の比率によって決まる.もしコアの熱容量が重要である場合,岩石コアの冷却光度は上方にある大気を全て剥ぎ取り,裸のコアを残すことになる.一方でより重い大気を持つ場合は,コア光度に影響されること無く生き残って冷却する.
重いエンベロープは影響を受けず,一方で軽いエンベロープは完全に失われるため,コア駆動の質量放出は最終的な大気質量と惑星半径の二峰性分布を自然に生成することが出来る.

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