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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1709.01875
Parviainen et al. (2017)
The GTC exoplanet transit spectroscopy survey VIII. Flat transmission spectrum for the warm gas giant WASP-80
(GTC 系外惑星トランジット分光サーベイ VIII.暖かい巨大ガス惑星 WASP-80b の平坦な透過スペクトル)

概要

WASP-80b の大気の透過光分光観測結果について報告する,この惑星は平衡温度が ~ 800 K の温暖な膨張したガス惑星である.

地上望遠鏡を用いて,520 - 910 nm の範囲で透過光分光観測を行った.この波長帯の観測によって,惑星大気中の K と Na の存在の有無と,存在した場合はその存在度を探ることが出来る.また高高度の雲の存在や,スペクトルの青い側でのレイリー散乱の存在を探ることが出来る.

Gran Telescopio CANARIAS にある OSIRIS 分光器を用いて,この惑星のトランジット分光観測を行った.
520 - 910 nm の間の透過スペクトルを,20 nm 幅のパスバンドで観測した.また K I と Na I の共鳴二重線の周辺の波長帯を 6 nm 幅のパスバンドで観測した.新しい観測結果と過去の 27 セットの光度曲線も合わせてモデル化を行った.

その結果,平坦な透過光スペクトルを検出した.スペクトル中には,レイリー散乱や,K I と Na I 吸収の証拠は発見されなかった.合計 2 回の観測を独立して解析した結果,どちらも整合的な結果となった.

得られた平坦なスペクトルより,大気特性に制約を与えることが出来る.この惑星の場合,高高度に雲があるというモデルが,大気の金属量が太陽金属量で雲なしとするモデル,および太陽より小さい金属量で雲なしとするモデルよりも合うことが分かる.

WASP-80 系について

WASP-80 は,V = 11.87 と明るい,晩期 K / 早期 M 型星である.軌道周期が 3.07 日の WASP-80b を持っている.WASP-80b は 0.56 木星質量,0.99 木星半径と,低い表面重力を持つ (Mancini et al. 2014).惑星の半径が比較的大きいため,トランジット深さは ~ 3%程度となる.

この惑星は平衡温度が ~ 800 K であり,Fortney et al. (2008) による系外惑星のクラス分けでは,pL class (大気中に温度逆転層が存在しない) に属する可能性が高いとされる.pL class に属する惑星では,レイリー散乱と K I と Na I 共鳴二重線吸収が透過スペクトル中に検出されることが期待される.また,K I の吸収は最近検出報告がある (Sedaghati et al. 2017).これは Very Large Telescope (VLT) の FORS2 分光器を用いた分光観測を元にしている.

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