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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1709.00865
Barros et al. (2017)
Precise masses for the transiting planetary system HD 106315 with HARPS
(HARPS を用いた トランジット惑星系 HD 106315 系の精密な質量)

概要

最近,ケプラーの K2 ミッションのデータ解析から,HD 106315 の周りに複数のトランジット惑星が検出された (Crossfield et al. 2017, Rodriguez et al. 2017).これらの惑星の周期はそれぞれ 9.55, 21.06 日で,半径は 2.44, 4.35 地球半径である.

中心星の光度 (V = 9.0) は明るいため,惑星大気の透過光分光観測の対象として適している.しかし透過スペクトルを解釈するためには,惑星の質量を測定することが重要である.

ここでは HD 106315 の高精度の視線速度観測から,2 つのトランジット惑星の質量を測定した.恒星の変動が視線速度の測定に与える影響に注意しながら解析を行った.

その結果,HD 106315b の質量は 12.6 地球質量で,平均密度は 4.7 g cm-3,HD 106315c は 15.2 地球質量,1.01 g cm-3 と推定される.HD 106315c は HD 106315b のほぼ 2 倍の半径を持っているが,質量はお互いにあまり変わらない事が分かる.

HD 106315c は分厚い水素・ヘリウムのガスエンベロープを持っていると考えられる.
また,惑星の内部モデルを用いた HD 106315b の詳細な解析からは,この惑星の固体コア質量の割合は 5 - 29%,惑星質量に占める水の割合は 10 - 50%と推定される.

今回のモデルでは考慮していないが,上記以外の可能性として,HD 106315b は大きな岩石コアの周りに分厚い水素・ヘリウムのガスエンベロープを持つ惑星であるという可能性がある.これらの惑星の今後の透過光分光観測から,惑星の大気組成への情報を与え,惑星コアの組成に制約を与える手がかりとなるだろう.

HD 106315 系について

HD 106315 は,ケプラーによるK2 ミッションの Campaign 10 で観測された.

K2 のデータを元に,2 つのチームが同時に 2 つの惑星の検出を報告している (Crossfield et al. 2017, Rodriguez et al. 2017).Crossfield et al. (2017) では視線速度を得ていたが,惑星質量への制約は与えていなかった.また 3 体目の天体によると思われる視線速度のトレンドの検出を報告している.

ここでは,HAPRS を用いた視線速度観測から質量を決定した.

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