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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1709.01642
Pu & Valencia (2017)
Ohmic Dissipation in Mini-Neptunes
(ミニネプチューン中でのオーム散逸)

概要

惑星に磁場と弱く電離した風が存在する状況では,木星型惑星や低質量惑星のエンベロープでは電流のオーム散逸が発生することが期待される.木星型惑星のエンベロープ中でのこの過程はこれまでに研究されているが,ミニネプチューン (mini-Neptunes,小型の海王星型惑星) での研究は存在しない.

ここでは,惑星の内部構造と熱進化のモデルから,ミニネプチューンの半径収縮を止めるのに必要なエネルギーの注入について調べた.この必要なエネルギーは,惑星質量とエンベロープの割合が大きくなるのに伴い大きくなる.

恒星から輻射によって受け取るエネルギーを 1 として必要なエネルギーを比較すると,オーム加熱によるエネルギーの必要量は小さく,10-5 程度となる.これは,太陽系外の木星型惑星で必要な値である 10-2 よりも数桁小さいものである

また磁気誘導方程式を解くことによって,オーム加熱によるエネルギーは,低質量の惑星の中と,エンベロープ割合が大きい惑星では,より容易に散逸することも示された.

ここで得られた上記 2 つの傾向を合わせることで,ミニネプチューン内部でのオーム散逸は,惑星の半径を膨張させるのに十分な強度を得られる事を示した (平衡温度 1400 K の惑星で,1015 W が必要量).

これは,ミニネプチューンの半径を決める原因の一つはオーム散逸であることを示唆している.従って,高温のミニネプチューン中のオーム散逸と水素・ヘリウム存在度の間にはトレードオフの関係があり,このような惑星の組成の解釈において新しい縮退を加えることとなる.さらに,ミニネプチューン内部でのオーム散逸は,ミニネプチューンを大気蒸発に対してより脆弱なものにするだろう (大気散逸を増加させることになるだろう).

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