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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1709.01527
Niraula et al. (2017)
Three Small Super-Earths Transiting the nearby star GJ 9827
(近傍星 GJ 9827 をトランジットする 3 つの小さいスーパーアース)

概要

GJ 9827 まわりの 3 つのトランジット惑星の発見について報告する.この発見は,ケプラーの K2 ミッションにおける Campaign 12 観測の一環として行われた.

中心星の GJ 9827 は,光度が V = 10.39 の K6V 星であり,距離は 30.3 pc である.ケプラーおよびケプラーの K2 ミッションで惑星が発見された恒星としては,最も太陽系に近いものである

視線速度のフォローアップ観測,高分解能撮像観測,および軌道周期の比が尽数関係に近い複数トランジット天体が検出されたことから,今回の検出における偽陽性確率 (※注釈:シグナルが惑星由来ではない確率) は非常に低い.

惑星 GJ 9827b, c, d の軌道周期は,1:3:5 の平均運動共鳴に非常に近い.
暫定的な解析から,これらの惑星は大気観測を行う候補として適していることが示される.さらに,3 つの惑星の半径は岩石惑星とガス惑星の境界にまたがって存在しており,岩石惑星とガス惑星を分ける閾値に関する我々の理解をを深める可能性がある.

パラメータ

GJ 9827
別名;EPIC 246389858
有効温度:4255 K
半径:0.651 太陽半径
質量:0.659 太陽質量
金属調:[Fe/H] = -0.28
自転周期:16.9 日
距離:30.3 pc
スペクトル型:K6V
GJ 9827b
軌道周期:1.208957 日
半径:1.75 地球半径
軌道長半径:0.020 AU
平衡温度:1043.5 K
GJ 9827c
軌道周期:3.64802 日
半径:1.36 地球半径
軌道長半径:0.042 AU
平衡温度:721.9 K
GJ 9827d
軌道周期:6.20141 日
半径:2.10 地球半径
軌道長半径:0.060 AU
平衡温度:604.9 K

近接した軌道を持つスーパーアース系

今回発見された 3 惑星については,3 分よりも大きいトランジット時刻変動は発見されなかった.

しかし 3 惑星の周期は 1:3:5 に近い.GJ 9827b と GJ 9827c の軌道周期は,3:1 からのズレは + 0.5%であり,GJ 9827c と GJ 9827d の軌道周期の 5:3 からのずれは + 2.0%であった.
このような,完全な共鳴からの小さい正のずれは,他のケプラー複数惑星系でも報告されている (Fabricky et al. 2014).

岩石惑星とガス惑星を分ける閾値は,1.5 地球半径と考えられている (Weiss & Marcy 2014).これを元にすると,GJ 9827c は岩石,GJ 9827d はガス惑星であることが示唆される.GJ 9827b については半径は岩石惑星とガス惑星の境界上にある.






arXiv:1709.01957
Rodriguez et al. (2017)
A System of Three Super Earths Transiting the Late K-Dwarf GJ 9827 at Thirty Parsecs
(30 パーセクにある晩期 K 型矮星 GJ 9827 をトランジットする 3 つのスーパーアースの系)

概要

GJ 9827 を公転する,3 つの小さいトランジット惑星の発見を報告する.これらの惑星は,K = 7.2 の明るい晩期 K 型星の周りを公転している.

今回発見された惑星の半径は,岩石を主成分とする惑星とガスを主成分とする惑星の遷移領域にある.GJ 9827b と GJ 9827c は,岩石惑星とガス惑星の間の半径分布のギャップの中,あるいはその付近に位置している.

この系までの距離はおよそ 30 pc であり,ケプラーの K2 ミッションで発見された中で一番近い系外惑星である.これらの惑星は,将来的なジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での大気観測に適した対象である.

パラメータ

GJ 9827
別名:HIP 115752,2MASS J23270480-0117108,EPIC 246389858
KS バンド等級:7.193
V バンド等級:10.250
有効温度:4270 K
金属量:[m/H] = -0.5
距離:30.32 pc
スペクトル型:K6V
質量:0.85 太陽質量
半径:0.630 太陽半径
光度:0.119 太陽光度
GJ 9827b
軌道周期:1.2089819 日
軌道長半径:0.0211 AU
半径:1.64 地球半径
平衡温度:1119 K
GJ 9827c
軌道周期:3.648086 日
軌道長半径:0.0440 AU
半径:1.29 地球半径
平衡温度:774 K
GJ 9827d
軌道周期:6.201472 日
軌道長半径:0.0627 AU
半径:2.08 地球半径
平衡温度:648 K

その他

GJ 9827b と GJ 9827c は 1:3 軌道共鳴の 0.5%外側だが,GJ 9827d は他の惑星との整数比とは離れている.







同じ GJ 9827 という恒星の周りでの同時の惑星の発見報告です.
ケプラーは K2 ミッションに移行してからは,観測データは公開して有志の研究者チームがそれを解析するという手法を取っているため,異なる研究者チームが同じ天体のシグナルを解析した場合,このように発見報告がほぼ同時になることがあります.

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