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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1507.08914
Batista et al. (2015)
Confirmation of the OGLE-2005-BLG-169 planet signature and characteristics with lens-source proper motion detection
(レンズ・ソース天体の固有運動の検出からのOGLE-2005-BLG-169の惑星によるシグナルと特徴の確認)

概要

Keck望遠鏡で補償光学を用いて、OGLE-2005-BLG-169のマイクロレンズイベントを起こしたソース天体とレンズ天体を高分解能観測した。この観測によって、OGLE-2005-BLG-169Lbが重力マイクロレンズ法で検出されてから 8.21年後にレンズ・ソース系を確認できたことになる。

重力マイクロレンズを用いて発見された天体で、レンズ天体とソース天体が完全に分離でき、相対的な固有運動が判明したのはこれが初めてである。
検出された固有運動の大きさは、7.44 mas yr-1である。

マイクロレンズの光度曲線から得られていた解の範囲を狭め、なた発見報告論文でのモデルの確認と改良が出来た。
この論文で報告しているKeck望遠鏡での観測と並んで、別の論文ではハッブル宇宙望遠鏡でのI, V, Bバンドでの観測も行っており、重力マイクロレンズ天体を両方の手法で追観測した初めての例である。

ここで観測された固有運動の観測と、レンズ天体のHバンドでの明るさから、OGLE-2005-BLG-169Lの惑星系のパラメータをアップデートした。
その結果、惑星質量は天王星質量である 13.2 ± 1.3 地球質量であり、中心星はスペクトル型K5の主系列星、質量は 0.65 ± 0.05 太陽質量である。
また投影した軌道長半径は 3.4 ± 0.3 AUであり、太陽系からの距離は 4.0 ± 0.4 kpcである。

この惑星は、重力マイクロレンズ法で発見された後に、他の方法で確認された初めての例である。










arXiv:1507.08661
Bennett et al. (2015)
Confirmation of the Planetary Microlensing Signal and Star and Planet Mass Determinations for Event OGLE-2005-BLG-169
(OGLE-2005-BLG-169のマイクロレンズイベントのシグナルの確認と恒星・惑星質量の決定)

概要

ハッブル宇宙望遠鏡のWide Field Camera 3 (WFC3)で、OGLE-2005-BLG-169のレンズ天体とソース天体の観測を行った。
その結果、レンズイベントの光度曲線から示唆されていた相対的な固有運動の予言を確認した。

この観測と、Keck望遠鏡での観測は共に、重力マイクロレンズイベントの追観測の初めての例である。

この観測では、中心星からの他バンドでのフラックスを観測して決定した。この観測より、レンズイベントの光度曲線からくるパラメータの曖昧さを除去することに成功した。そのため、惑星系のパラメータを精密に決定することが出来た。

重力マイクロレンズの光度曲線と、ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3での観測から、中心星の質量は 0.69 ± 0.02 太陽質量、惑星質量は 14.1 ± 0.9 地球質量となった。
太陽系からの距離は 4.1 ± 0.4 kpc、投影された軌道長半径は 3.5 ± 0.3 AU、軌道長半径の予測値は 4.0 (+2.2 -0.6) AUである。

この惑星は、スノーラインの2倍外側に位置する天王星質量の惑星であり、惑星形成のコア集積モデルから予測される"failed Jupiter core"(木星になりきれなかったコア)だと考えられる(Laughlin et al. 2004)。

一般に、中心星の質量を決定するためにはレンズ天体の輝度を測定する必要がある。
しかし測定の正確さのためには、観測した星が本当にレンズ天体であるかどうかを確認する必要がある。
そのため、レンズ天体とソース天体の相対的な固有運動を測定し、その値が重力マイクロレンズの光度曲線から示唆される相対的な固有運動と矛盾しないかどうかを調べる必要がある。
今回の追観測による決定は、将来のWFIRSTによる重力マイクロレンズ観測にも重要である。

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