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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1710.01770
Jacobson et al. (2017)
Formation, stratification, and mixing of the cores of Earth and Venus
(地球と金星の核の形成,成層化と混合)

概要

地球は内部で生成されている磁場を継続的に保有しているが,金星では現在および過去にダイナモ機構が存在した痕跡は検出されていない.しかし,金星表面の温度が高いことや,最近の金星表面の更新イベントによって,金星の古地磁気の証拠は取り除かれてしまっている可能性がある.

地球型の天体が液体金属コア中の対流によって内部で発生する磁場を維持できるかどうかは,その天体の初期の熱力学的状態,およびその組成構造によって部分的に決まる.これらの状態は,惑星の降着および分化の過程によって左右される.


ここでは,地球や金星のような惑星のコアは,高エネルギーの衝突イベントによって阻害されない限りは,安定した組成の成層構造を保った状態で成長できる事を示す.

惑星への物質の降着の最中に金属-ケイ酸塩平衡の温度と圧力が上昇するのに伴い,沈んでコアを形成する液体金属に含まれる軽い元素の量が多くなるため,安定な組成の成層構造が発生する.このプロセスをモデル化することで,この過程が安定な成層構造を作り,対流の発達に対抗し,ダイナモ機構の発生を抑制することを示す.

しかし,形成後期に高エネルギーの衝突が発生した場合,それによってコアは機械的に撹拌される.それによって,長寿命の地球ダイナモを発生させることが出来る,単一の均質な領域が形成される.

地球への降着は,後期段階でコアを混合するのに十分なエネルギーであると思われる巨大衝突 (例えば月を形成した巨大衝突) の影響を受けているが,金星への降着の場合はそのような高エネルギーの巨大衝突が発生せず,そのために初期の成層構造が保たれてダイナモの発達を阻害した可能性がある,という仮説を提唱する.

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