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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
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arXiv:1710.02427
Cubillos et al. (2017)
Aerosol Constraints on the Atmosphere of the Hot Saturn-mass planet WASP-49b
(高温の土星質量惑星 WASP-49b の大気でのエアロゾルへの制約)

概要

エアロゾルの吸収断面積は大きく,またほとんど波長依存性を持たず,結果として特徴を欠いた系外惑星大気の透過スペクトルを生み出す.これにより,エアロゾルが存在する場合の系外惑星大気の特徴付けは限定的なものとなってしまう.

ここでは,もし大気の透過スペクトルが特徴に欠けたものであったとしても,その大気の特性を特徴付けることができることを示す.具体的には,エアロゾル層の上方と下方の圧力境界への制約を与え,エアロゾルを構成していると思われる組成の候補を与える.


このモデルを用い,膨張した半径を持つ土星質量の惑星 WASP-49b でケーススタディをする.
この惑星の近赤外線トランジット観測では,0.7 - 1.0 µm の波長の範囲で,透過スペクトルは平坦であることが分かっている.

まずは高層大気の流体力学コードを用いて,電離を引き起こす恒星からの高エネルギー光子が到達できる高度を,気圧が 10-8 bar になる場所であると推定した.この高度を,エアロゾルが存在できる上限の高度だと仮定する.

続いて,HELIOS と Pyrat Bay 輻射輸送モデルを用いて,Bayesian framework の中で大気エアロゾルの光球での圧力と温度への制約を与えた.

WASP-49b の場合,透過スペクトルの光球 (エアロゾルデッキの境界) がある高度は,圧力が 10-5 bar になる高度であるという制約を与えた (大気の金属量が,太陽金属量の 100 倍の場合).

また,金属量が変わると結果も変わる
太陽金属量と同じ場合は 10-4 bar,太陽金属量の 0.1 倍の場合は 10-3 bar がエアロゾルの光球面となる.また,10-7 bar が上方境界である.


最後に,エアロゾルの成分であると思われる物質の凝縮曲線を,惑星大気の圧力-温度分布と比較し,吸収を引き起こしていると思われる凝縮物の同定を試みた.

この環境下ではエアロゾルの組成の候補として,金属量が太陽の 100 倍の場合はエアロゾルの組成の候補は Na2S,太陽金属量と同じ場合と 0.1 倍の場合は Cr と MnS が考えられる,さらに,太陽金属量の 0.1 倍の場合,フォルステライト (forsterite,苦土カンラン石),エンスタタイト (enstatite),硫マンガン鉱 (alabandite) も組成となりうることを同定した.

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