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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1710.07489
Wu et al. (2017)
An Explanation of the Very Low Radio Flux of Young Planet-mass Companions
(若い惑星質量伴星からの非常に低い電波フラックスの説明)

概要

Atacama Large Millimeter/submillimeter Array (ALMA) での 1.3 mm 連続波観測で,DH Tau B, CT Cha B, GSC 6214-210 B, 1RXS 1609 B, GQLup B が持つ,惑星質量の伴星からの電波放射の上限値について報告する.

今回のサーベイでは,これらの若い惑星質量伴星の周囲に円盤が存在する可能性について,否定的な結果が得られた.
また,天体周囲に存在するダスト質量に対して厳しい上限値を与えた.ダスト質量は,典型的には 0.1 地球質量未満である.これはダスト連続波が光学的に薄い場合を仮定した上での推定である.


ガス・ダストの存在量が少ないという今回の結果は,降着率から推定される円盤の寿命が,その系の年齢よりもずっと短いことを示すものである.
このタイムスケールの違いを説明するため,大きな軌道間隔を持った伴星の周囲に存在する円盤は,非常にコンパクトで光学的に厚い構造を持っている可能性を提案する.その場合,数 Myr の間降着を維持しているものが,ALMA で検出できないほどの弱い (サブ) ミリ波を持つ.

ここではその可能性についてのオーダー推定を行い,コンパクトで光学的に厚い円盤は,大きさが 1000 木星半径よりも小さく,(サブ) ミリ波では ~ µJy 程度のフラックスしか持たないが,それらの平均温度は星周円盤の温度よりも高くなりうるということを示す.

周惑星円盤のこのような高い温度は,円盤中での衛星形成を阻害する.しかしこのことは,円盤の特性を観測するには,電波よりも中間赤外線〜遠赤外線の波長帯が適している事を示唆する.


最後に,予想されるコンパクトな円盤サイズは,伴星と恒星の間の力学的な遭遇が原因である可能性,あるいは恒星系の中における別の散乱が存在する可能性を示唆する.

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