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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1710.08365
Chadney et al. (2017)
Effect of stellar flares on the upper atmospheres of HD 189733b and HD 209458b
(HD 189733b と HD 209458b の高層大気への恒星フレアの影響)

概要

恒星フレアは,多くの系外惑星が検出されている若い低質量の恒星では頻繁に発生する.
フレアは高エネルギーで瞬間的な出来事であり,系外惑星の大気に影響を与える.恒星フレアによる大気への影響は,トランジット観測の結果を解釈する際には考慮に入れる必要がある.

ここでは,フレアを起こす恒星を公転する,巨大ガス惑星の高層大気を記述するモデルを発展させた.このモデルは,近接ガス惑星の高層大気からの熱的な散逸を計算するものである.モデル中には恒星の輻射と電子の衝突によるイオン化を含み,光化学と拡散輸送プロセスがシミュレートされている.

このモデルを用いて,太陽型星の G 型星 HD 209458 の惑星 HD209458b と,若い K 型星 HD 189733 の惑星 HD189733b の大気に対して,恒星フレアがどのように影響を及ぼすかを調べた.


シミュレーションの際は,HD 209458 の代替として太陽のパラメータを使用し,HD 189733b の代替としてエリダヌス座イプシロン星を使用した.
また,非常に活発な M 型星 AU Microscopii (けんびきょう座AU星) を公転する仮想の HD 209458b 的な惑星への影響についても調べた.

その結果,HD 209458 と HD 189733 で発生する典型的なフレアでは,巨大ガス惑星の中性高層大気は大きな影響を受けないことを発見した.従って恒星フレア単独では,過去の観測で報告されている HD 189733b のトランジット深さの変動を説明できるだけの,十分な大きさの惑星の質量放出の変化を引き起こすことが出来ない.

しかし,極端な恒星のプロトンイベントが発生した場合は,必要な質量放出の変化を引き起こす可能性があることを示す.しかし,このシミュレーションでは,惑星の電離圏中の電子の数密度が増加することを明らかにした.この極大は,恒星の X 線が吸収される層に位置している.フレアの強度とそのスペクトルエネルギー分布の広がりは,電離の増加が見られる電離圏の高度の範囲に影響を与える.

けんびきょう座AU星のような,非常に若いフレア星におけるフレアのスペクトルの XUV 部分の広い連続要素は,その高度の範囲を広くする.もちろん,X 線吸収層だけではなく,EUV 光子が吸収される層も強く増幅される.

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