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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1711.01402
Knight et al. (2017)
The rotation period and shape of the hyperbolic asteroid A/2017 U1 from its lightcurve
(光度曲線からの双曲線小惑星 A/2017 U1 の自転周期と形状)

概要

双曲線軌道にある小天体 A/2017 U1 (現在の名称は 1I/2017 U1 ('Oumuamua)) を,2017 年 10 月 30 日に 4.3 m 口径の Discovery Channel Telescope (ディスカバリーチャンネル望遠鏡) を用いて観測した.この観測から,この天体の部分的な光度曲線を取得し,明るさの変動は少なくとも 1.2 mag であった.

この部分的な光度曲線からは,A/2017 U1 の自転周期が 3 時間以下である可能性は否定され,少なくとも 5 時間である事が推測される.また,この光度変動が自転に伴う長球の断面積の変化によるものだと仮定すると,天体の軸比は少なくとも 3:1 となり,かなり細長い形状をしていると考えられる.

光度変動を引き起こす別の可能性としては,天体表面のアルベドの違い (模様の違い) に起因するという考え方がある.しかし,天体のスペクトルのカラーや赤外線観測の情報が無いと,その可能性について直接調べることができない.

また,独立した 3 つの可視光観測でのスペクトルでは,この天体の表面に大きな色の違いがないことが示唆されている (Massiero 2017; Fitzsimmons et al. 2017; Ye et al. 2017).

さらに,Barucci et al. (1989) によると,アルベドの違いによる光度変化による光度曲線の形状は,より正弦曲線的になることが示唆されている.今回取得された光度曲線は広く丸い形状の極大を示すように見え,また極小の形状はシャープであり,天体が細長い形状であることによる光度変化だとする解釈と合う.


観測期間内で得た光度曲線に反復性がないため,自転周期が 3 時間未満である可能性は否定される.また,もし天体が細長い形状であり光度曲線が対称的な二重ピークを示す場合,自転周期は少なくとも 5 時間であると推測される.ただし,もし光度曲線が非対称である場合は,自転周期はそれより短くなる可能性がある.

得られた光度曲線が不完全であるため,自転周期に対する意味のある上限値は与えられなかった.
また,独立画像とスタック画像のどちらにおいても,天体にコマや尾が存在する証拠は得られず (彗星的な活動は見られず).

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