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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1711.01300
Gaidos et al. (2017)
Origin of Interstellar Object A/2017 U1 in a Nearby Young Stellar Association?
(恒星間天体 A/2017 U1 の起源は近傍の若い恒星アソシエーションか?)

概要

恒星間天体 A/2017 U1 (現在の呼称は 1I/2017 U1 (ʻOumuamua)) の起源について,この天体の到来方向と,Tycho-Gaia Astrometric Solution カタログ (Gaia Collaboration 2016) を元に,この天体の起源となった星系の推定を試みた.

この天体のスペクトルは特徴を欠き,また既知の小惑星グループよりも赤い色を示す (Masiero 2017).また,近日点の通過時にコマを伴わないことが分かっている.これらの観測からは,この天体は氷が少ないことが示唆される.
これは,近日点を通過する前後にはこの天体の表面温度は 550 K に達していた (アルベド 5%を仮定した場合) と予想されるためである.また,起源となる恒星系の中で,恒星に近い領域で形成されたと考えられる.


この天体は Local Standard of Rest (局所静止系) の ≲ 10 km/s 以内の速度で動いている.そのため,近傍の若い星団かアソシエーションが起源である可能性が示唆される.

運動学的には,もっともらしい候補は Carina Association と Columba Association であり,Tucana-Horologium アソシエーション (きょしちょう座・とけい座アソシエーション) に伴う,大きな星形成イベントの一部として形成された可能性がある

これらの候補アソシエーションまでの推定距離は 50 - 85 pc (Torres et al. 2008など) であり,等時線からの推定年齢は ~ 45 Myr (Bell er al. 2015) である.そのため,星形成の直後に 1 - 2 km/s で系から弾き出された天体であれば,現在の時間に太陽系の現在の位置に到達できる.

そのため,A/2017 U1 は Carina/Columba Associations 中の原始惑星系円盤で形成され,~ 40 Myr (4000 万年) 前に放出されたのではないかと示唆される.組成に氷が少ないことから,雪線の内側で形成され,1 - 2 km/s の放出速度で放出された可能性がある.

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