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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1711.05185
Fedele et al. (2017)
ALMA continuum observations of the protoplanetary disk AS 209. Evidence of multiple gaps opened by a single planet
(原始惑星系円盤 AS 209 の ALMA 連続波観測.単一の惑星によって開けられた複数のギャップの兆候)

概要

Ophiuchus star forming region (へびつかい座星形成領域) にある原始惑星系 AS 209 を,ALMA 1.3 mm ダスト連続光で高角度分解能観測を行った.

観測されたダスト連続波放射は,メインの中心コア部分と,その外側の 2 つの主要なリング構造として特徴付けられる.外側の構造は,75 au, 130 au の位置にあるリングと,それらを隔てる 62 au と 103 au の位置のギャップからなる.

2 つのギャップは異なる幅と深さを持ち,内側のほうが細く浅い構造になっている.


三次元輻射輸送円盤コード DALI を用いて,ミリメートルサイズのダスト粒子の表面密度の推定を行った.
シミュレーションの基準モデルを元にすると,内側のギャップはミリメートルサイズの粒子に部分的に満たされている一方,外側のギャップは大きくダストに欠けていると推定される.

シミュレーションから示唆されたダストの表面密度を,惑星・円盤相互作用の三次元流体力学シミュレーション (FARGO-3D) の結果と比較した.その結果,外側のギャップは 0.8 土星質量の巨大惑星が存在する事によって形成されるという解釈と整合的であった,この惑星は,円盤へのギャップの形成と,惑星軌道の外縁におけるダストの滞留の原因となっていると考えられる.


またシミュレーションでは,外側のギャップを開けている惑星が,内側の 62 au のギャップの原因にもなる可能性を示唆した.

2 つのギャップの相対的な位置は 2:1 共鳴に近く,ここでは内側のギャップの中に二番目の惑星が存在する可能性についても調べた.その結果得られた表面密度 (2 つのダストギャップの位置,幅と深さを含む) は観測と一致するものであった.

内側のギャップの特性は内側の惑星質量に強い制限を与え,質量は 0.1 木星質量と推定される.


単一の惑星によるギャップか,惑星ペアによるギャップか,どちらのシナリオにおいても,流体力学シミュレーションは円盤の粘性は非常に低いことを示唆している (α < 10-4).この系の年齢は若いため (0.5 - 1 Myr),この観測結果は,巨大惑星の形成は ≲ 1 Myr のタイムスケールで起きることを示唆している

AS 209 について

AS 209 は T Tauri (おうし座T型星) であり,円盤を持つ.中心星の質量は 0.9 太陽質量であり,スペクトル型は K5,光度は 1.5 太陽光度である (Tazzari et al. 2016).

推定年齢が 0.5 - 1.0 Myr (50万 - 100 万歳) の Ophiuchus star forming region (へびつかい座星形成領域) の一員であり.距離は 126 pc である (Gaia Collaboration et al. 2016).

多波長の連続波観測では,恒星から数十 au を超える位置からのミリメートル波長の光学的に薄い放射が検出されている (Perez et al. 2012, Tazzari et al. 2016).Huang et al. (2016) は,円盤外側での CO 脱離によると思われる,広がったガスの放射 (C18O) の証拠を発見している.また興味深いことに,Huang et al. (2017) ではダストの 1.1 mm 連続波放射には暗い帯があることを指摘している.
※注釈
AS 209 の AS は "Additional Stars" の略称で,Hα 線の明るい輝線が検出された天体を集めた論文 "Additional stars whose spectra have a bright H-α line." に収録されている天体の一つである (Merrill & Burwell 1950).

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