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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1711.05378
Wittenmyer et al. (2017)
The Pan-Pacific Planet Search VII: The most eccentric planet orbiting a giant star
(The Pan-Pacific Planet Search VII:巨星を公転する最もエキセントリックな惑星)

概要

3 つの機器による視線速度観測から,K 型巨星 HD 76920 を公転する 4 木星質量の惑星候補の存在を明らかにした.

HD 76920b は,軌道離心率が 0.856 ± 0.009 であり,進化した恒星周りの惑星としては最も大きな軌道離心率を持つ惑星である.この恒星には検出されていない連星が存在することは示されておらず,観測された惑星の軌道離心率を実現するには,Kozai 振動よりも惑星同士の散乱イベントの方が好ましいことを示唆している.

この惑星候補天体は現在,恒星からおよそ 4 恒星半径の距離にまで近づく軌道にある.そのため,恒星の進化と潮汐作用の両方の効果によって,~ 100 Myr のタイムスケールで恒星に飲み込まれると予測される.

パラメータ

HD 76920
スペクトル型:K1 III
距離:184.8 pc
質量:1.17 太陽質量
金属量:[Fe/H] = -0.11
有効温度:4698 K
半径:7.47 太陽半径
光度:24.0 太陽光度
年齢:7.10 Gyr (71 億歳)
HD 76920b
軌道周期:415.4 日
軌道離心率:0.856
最小質量:3.93 木星質量
軌道長半径:1.149 AU

議論

HD 76920b の軌道離心率はおよそ 0.85 であり,これは巨星を公転する惑星の中では最も大きな値である (ここでの巨星は,表面重力が log g < 3.5 のものを指す).

これまで最も大きかったのは,iota Dra b (りゅう座イオタ星b) で,0.71 であった (Butler et al. 2006).


HD 76920b の近日点は中心星半径の 5 倍程度であり,すなわち恒星の表面から恒星半径 4 個分程度にまで接近することになる.これは非常に近い接近だが 1 位ではなく,4 Uma b (おおぐま座4番星b) が,恒星表面から 2 恒星半径程度と,さらに近距離に接近する (D ̈ollingeret al. 2007).

このような高軌道離心率の軌道は,恒星に伴星がある場合は Kozai-Lidov 機構で実現しうる (Kozai 1962, Lidov 1962).しかしこの系には伴星の存在を示す兆候は発見されていない.そのため,惑星散乱によってこの極端な軌道が実現された可能性がある.

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