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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1711.08463
Dobbs-Dixon & Cowan (2017)
Wavelength Does Not Equal Pressure: Vertical Contribution Functions and their Implications for Mapping Hot Jupiters
(波長は圧力とイコールではない:鉛直方向の寄与関数とそのホットジュピターマッピングへの示唆)

概要

多波長での系外惑星の位相変動は,惑星の経度方向の温度分布を大気中の高度の関数として推定することを,原理的に可能にする.

例えば 3.6 µm での放射は,より長波長での水蒸気による吸収が大きいために,4.5 µm よりも深い大気層に起源を持つことになる.熱輸送効率は大気の圧力とともに増加するため,3.6 µm の熱位相曲線は 4.5 µm での熱位相曲線よりも小さい振幅を示し,大きな位相のズレを示すことが予想される.

しかし,実際にはこの傾向は観測されない.

3.6 µm と 4.5 µm 双方での軌道位相曲線が観測されている 7 個のホットジュピターのうち,その全てで 4.5 µm よりも 3.6 µm の位相振幅の方が大きい.また,7 個中 4 個は 3.6 µm でより大きな位相のずれを示す.


ここでは,大気が熱化学平衡にあることを仮定し,3 次元輻射流体力学モデルを用いて HD 189733b の理論的な位相曲線を計算した.このモデルは,主に炭素化学反応によって駆動される,温度・圧力・波長に依存する不透明度を示す.

惑星の昼側の半球においては,炭素は一酸化炭素として存在した方がエネルギー的に有利だが,低温な夜側ではメタンの状態にある方が好ましい.従って,赤外線での不透明度は昼と夜の間で数桁変化し,波長ごとの光球に大きな垂直方向のずれを生じさせ,観測されたスペクトルデータによる食や位相のマッピングを複雑にする

今回のモデルは,4.5 µm よりも 3.6 µm で相対的な位相振幅が大きく,さらに位相のズレも大きくなることを予測する.これは観測データと一致する傾向である.

このモデルは,観測されている位相曲線を定性的に説明することが出来る.しかし,大気の高温領域からの一酸化炭素の輸送によって帯状に一様な大気組成になることを予測している,従来の熱化学運動学モデルとは異なる結果を示す.

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