×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
天文・宇宙物理関連メモ vol.720 Diez Alonso et al. (2018) および Hirano et al. (2018) LP415-17 (EPIC 210897587) まわりの 3 つのトランジットスーパーアース
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1801.06249
Diez Alonso et al. (2018)
A system of three transiting super-Earths in a cool dwarf star
(低温な矮星の 3 つのトランジットスーパーアース系)
HAPRS-N/TNG で取得した高分散スペクトルから,恒星は中期から晩期の K 型矮星である事が分かった.スペクトル合成モデルから,この恒星の有効温度,表面重力,金属量を示唆し,また進化モデルから恒星半径が 0.58 太陽半径であると導出した.
惑星半径はそれぞれ 1.8,2.6,1.9 地球半径で,軌道周期は 6.34,13.85,40.72 日であった.
高分散撮像観測からは,視線方向に別の天体の混入は確認されなかった.
最も遠方の惑星は軌道長半径が 0.18 AU であり,これはこの系のハビタブルゾーンの内縁に近い.
有効温度:4258 K
金属量:[Fe/H] = -0.3
半径:0.58 太陽半径
質量:0.65 太陽質量
自転周期:29.6 日
距離:82 pc
軌道長半径:0.0562 AU
半径:1.8 地球半径
平衡温度:708 K
Weiss & Marcy (2014) の質量-半径関係から推定した質量は 4.7 地球質量
軌道長半径:0.0946 AU
半径:2.6 地球半径
平衡温度:583 K
Weiss & Marcy (2014) の質量-半径関係から推定した質量は 6.5 地球質量
軌道長半径:0.1937 AU
半径:1.9 地球半径
平衡温度:381 K
Weiss & Marcy (2014) の質量-半径関係から推定した質量は 4.9 地球質量
arXiv:1801.06957
Hirano et al. (2018)
EPIC 210897587: A Bright Metal-Poor M Dwarf with Three Transiting Super-Earths
(EPIC 210897587:3 つのトランジットスーパーアースを持つ明るい低金属量 M 型矮星)
系を特徴付けて惑星候補を確定させるため,スペックル撮像と高分散可視光の分光観測 (視線速度測定含む) を行った.また,中心星の K2 の光度曲線及び分光観測での特徴付けから,惑星のサイズと軌道周期を決定した.
最も外側の惑星 EPIC 210897587.3 はこの系のハビタブルゾーンに近く,日射量は地球の 1.67 倍と推定される.この惑星の半径は,小さい岩石惑星と大きいガス豊富な惑星の中間の値である.
この惑星の居住可能性を評価するため,3D の全球気候シミュレーションを行った.シミュレーションは,自転は潮汐固定され,地球的な組成と大気を持つと仮定して行った.
その結果,日射が地球の ~ 1.5 倍程度より小さい場合であれば,この惑星は温暖な表面温度を維持可能であることが分かった.
EPIC 210897587 は,トランジット惑星を持つことが知られている M 型矮星の中では可視光で最も明るいものの一つである.そのためこの系は,ドップラー法での質量測定,トランジット分光観測とその他のフォローアップ観測を行う価値があると考えられる.
有効温度:3919 K
金属量:[Fe/H] = -0.42
半径:0.526 太陽半径
質量:0.540 太陽質量
光度:0.059 太陽光度
距離:62.3 pc
半径:1.55 地球半径
軌道長半径:0.0546 AU
日射量:地球の 19.9 倍
半径:1.95 地球半径
軌道長半径:0.0920 AU
日射量:地球の 7.0 倍
半径:1.64 地球半径
軌道長半径:0.1886 AU
日射量:地球の 1.67 倍
同じ天体まわりでのほぼ同時の惑星発見報告論文です.
arXiv:1801.06249
Diez Alonso et al. (2018)
A system of three transiting super-Earths in a cool dwarf star
(低温な矮星の 3 つのトランジットスーパーアース系)
概要
ケプラーの K2 観測 campaign 13 の観測データから,低温の恒星 LP415-17 をトランジットする 3 つのスーパーアースを検出した.HAPRS-N/TNG で取得した高分散スペクトルから,恒星は中期から晩期の K 型矮星である事が分かった.スペクトル合成モデルから,この恒星の有効温度,表面重力,金属量を示唆し,また進化モデルから恒星半径が 0.58 太陽半径であると導出した.
惑星半径はそれぞれ 1.8,2.6,1.9 地球半径で,軌道周期は 6.34,13.85,40.72 日であった.
高分散撮像観測からは,視線方向に別の天体の混入は確認されなかった.
最も遠方の惑星は軌道長半径が 0.18 AU であり,これはこの系のハビタブルゾーンの内縁に近い.
パラメータ
LP415-17
別名:EPIC 210897587,2MASS 04215245+2121131有効温度:4258 K
金属量:[Fe/H] = -0.3
半径:0.58 太陽半径
質量:0.65 太陽質量
自転周期:29.6 日
距離:82 pc
LP415-17b
軌道周期:6.342 日軌道長半径:0.0562 AU
半径:1.8 地球半径
平衡温度:708 K
Weiss & Marcy (2014) の質量-半径関係から推定した質量は 4.7 地球質量
LP415-17c
軌道周期:13.850 日軌道長半径:0.0946 AU
半径:2.6 地球半径
平衡温度:583 K
Weiss & Marcy (2014) の質量-半径関係から推定した質量は 6.5 地球質量
LP415-17d
軌道周期:40.718 日軌道長半径:0.1937 AU
半径:1.9 地球半径
平衡温度:381 K
Weiss & Marcy (2014) の質量-半径関係から推定した質量は 4.9 地球質量
arXiv:1801.06957
Hirano et al. (2018)
EPIC 210897587: A Bright Metal-Poor M Dwarf with Three Transiting Super-Earths
(EPIC 210897587:3 つのトランジットスーパーアースを持つ明るい低金属量 M 型矮星)
概要
EPIC 210897587 まわりの 3 つのスーパーアースのトランジットの発見を報告する.中心星は比較的明るい早期 M 型星 (V = 12.81 mag) で,ケプラー K2 ミッションの Campaign 13 で観測された.系を特徴付けて惑星候補を確定させるため,スペックル撮像と高分散可視光の分光観測 (視線速度測定含む) を行った.また,中心星の K2 の光度曲線及び分光観測での特徴付けから,惑星のサイズと軌道周期を決定した.
最も外側の惑星 EPIC 210897587.3 はこの系のハビタブルゾーンに近く,日射量は地球の 1.67 倍と推定される.この惑星の半径は,小さい岩石惑星と大きいガス豊富な惑星の中間の値である.
この惑星の居住可能性を評価するため,3D の全球気候シミュレーションを行った.シミュレーションは,自転は潮汐固定され,地球的な組成と大気を持つと仮定して行った.
その結果,日射が地球の ~ 1.5 倍程度より小さい場合であれば,この惑星は温暖な表面温度を維持可能であることが分かった.
EPIC 210897587 は,トランジット惑星を持つことが知られている M 型矮星の中では可視光で最も明るいものの一つである.そのためこの系は,ドップラー法での質量測定,トランジット分光観測とその他のフォローアップ観測を行う価値があると考えられる.
パラメータ
EPIC 210897587
別名:2MASS J04215245+2121131有効温度:3919 K
金属量:[Fe/H] = -0.42
半径:0.526 太陽半径
質量:0.540 太陽質量
光度:0.059 太陽光度
距離:62.3 pc
EPIC 210897587.1
軌道周期:6.34365 日半径:1.55 地球半径
軌道長半径:0.0546 AU
日射量:地球の 19.9 倍
EPIC 210897587.2
軌道周期:13.85402 日半径:1.95 地球半径
軌道長半径:0.0920 AU
日射量:地球の 7.0 倍
EPIC 210897587.3
軌道周期:40.6835 日半径:1.64 地球半径
軌道長半径:0.1886 AU
日射量:地球の 1.67 倍
同じ天体まわりでのほぼ同時の惑星発見報告論文です.
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック