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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1801.06234
Biddle et al. (2018)
K2 reveals pulsed accretion driven by the 2 Myr old hot Jupiter CI Tau b
(K2 が明らかにする 200 万歳のホットジュピターおうし座CI星b に駆動されるパルス状の降着)

概要

CI Tau (おうし座CI星) は,年齢が 200 万歳程度と若い,古典的おうし座 T 型星 (classical T Tauri star) であり,おうし座星形成領域に存在している.この天体のまわりには,視線速度観測から木星サイズの惑星 CI Tau b (おうし座CI星b) がおよそ 9 日周期で公転していることが示唆されている.

ここでは,ケプラー K2 ミッションでのこの恒星の測光変動を解析した.光度曲線からは,恒星の自転周期は ~ 6.6 日であると判明した.
CI Tau b がトランジットしている証拠は発見できなかったが,9 日程度の周期のシグナルが光度曲線中に存在していた.これは,惑星-円盤相互作用によって引き起こされていると考えられる.つまり,惑星によって恒星への物質の降着が擾乱を受けており.そのため惑星の公転周期である 9 日程度での光度の周期的な変動が存在する.

おうし座T型星まわりの惑星と CI Tau b

T Tauri 星まわりの惑星は,発見が難しいものの幾つかの手法で検出されている.V830 Tau b (おうし座V830星b,Donati et al. 2016),K2-33b (Mann et al. 2016, David et al. 2016),TAP 26b (Yu et al. 2017) などである.

我々のグループでは,視線速度によって CI Tau b を検出している (Johns-Krull et al. 2016).この観測からは,最小質量は 8.08 木星質量,軌道周期は 8.9891 日と推定されている.また,CI Tau の周囲には星周円盤が発見されている (Guilloteau et al. 2014),惑星の軌道が円盤の傾きと同じ 45.7° ならば,惑星の真の質量は 11.29 木星質量となる.

観測結果とその解釈

なお,この天体のケプラー K2 観測での名称は EPIC 247584113 である.

K2 の光度曲線には,~ 6.6 日と ~ 9.0 日の周期的シグナルが検出された.6.6 日の方は恒星の自転周期に対応しており,この値は恒星の v sini の測定結果とも整合する.

もし 9.0 日周期の方が自転周期起源だとすると,恒星の半径の見積もりが非物理的に大きすぎる値となってしまう.9.0 日周期の方は,惑星の軌道周期と整合的である.

ここでは,惑星が円盤から恒星へのの降着に擾乱を与えて光度変動を引き起こしている可能性を示唆する.
知られている限りでは,木星サイズの惑星が,星周円盤から恒星への降着に影響を与えるという仮説についてのシミュレーションは存在しない.しかしブラックホール連星では,この系の質量比と同程度の状態で,連星の軌道周期と同じタイムスケールで降着の変化による光度の変動が発生することを示すシミュレーションが存在する (D’Orazio et al. 2013).

D’Orazio et al. (2013) のシナリオでは恒星・円盤・惑星の相互作用をシミュレーションしているわけではないが,円盤の切り取り半径よりも内側にいる惑星が,その軌道周期と似た周期で恒星への降着を変動させる可能性が示唆される.

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