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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.00999
Fossati et al. (2018)
Suppressed Far-UV Stellar Activity and Low Planetary Mass Loss in the WASP-18 System
(WASP-18 での抑制された遠紫外線の恒星活動と低い惑星の質量損失)

概要

WASP-18 は,非常に近接した軌道に重い木星型の惑星 WASP-18b を持っている.
中心星は 10 億歳未満という若い年齢だが,異常に活動度が低いことが分かっている.測定された \(\log R\prime_{\rm HK}\) の活動度指数は,基礎レベルより僅かに低い値であり,指数には目立った時間変動性は見られない,また,X 線も非検出である.

ここでは,ハッブル宇宙望遠鏡の COS を用いたこの天体の遠紫外線の観測を行った.
得られた恒星のスペクトルエネルギー分布から,WASP-18 と地球の間の星間物質の柱密度とイオンの個数を推定した.その結果,活動度に見られる異常の原因は,星間物質の吸収が起源ではないことが分かった.


C II,C III,C IV,Si IV のそれぞれの放射スペクトルでのフラックスを測定した.C II/C IV のフラックス比を,年齢が分かっている近傍の恒星のスペクトルから導出した値と比較した.

その結果,WASP-18 の遠紫外線スペクトルは,50 億歳以上の高齢で不活発な恒星に似た特徴を示すことが分かった.これは WASP-18 の実際の年齢が若いこととは全く対照的な結果である.そのため,WASP-18 は本質的に活動度が低いと考えられる.この原因としては,先行研究で指摘されているように,恒星-惑星間の相互作用によるものである可能性がある.

太陽の輻射を参考に,Si IV 線での放射が合うようにスケーリングを行うと,XUV の積分フラックスは WASP-18b の軌道で 10.2 erg s-1 cm-2 と推定される.この値を元に熱的散逸を考慮すると,10 億年あたり 10-20 木星質量という散逸率が得られる.このような高質量の惑星では,熱的散逸はエネルギー律速ではなく,ジーンズ散逸によって発生する.

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