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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.03995
Langlois et al. (2018)
First scattered light detection of a nearly edge-on transition disk around the T Tauri star RY Lup
(おうし座T型星 RY Lup まわりのほぼエッジオンの遷移円盤の初めての散乱光検出)

概要

遷移円盤 (transition disk) は進行中の惑星形成の場だと考えられており,円盤のダストとガスの分布は,円盤内に埋め込まれた惑星のシグナルとなる可能性がある.

おうし座T型星 (T Tauri star) である RY Lup (おおかみ座RY星) の周りにある遷移円盤は,円盤内側のダストの空洞領域と,強いシリケイトの放射特徴を示すことが分かっている.この円盤の高分解能撮像観測を用いて,非軸対称構造と表面のダスト粒子分布を含む,この円盤の幾何学構造の調査を行った.これは,この円盤の進化過程のより良い理解が目的である.

さらに,この円盤に接続している可能性のある伴星候補についての調査も行った.

Very Large Telescope (VLT) の SPHERE の極限補償光学装置を用いて,近赤外線での高コントラスト・高角度分解能の直接撮像データを取得した.この装置の目的は,直接撮像を通じて惑星とその形成環境を検出・特徴付けすることによって,惑星形成過程を研究することである.

この恒星まわりの円盤の偏光撮像観測を IRDIS (観測波長 1.6 µm) で行い,IRDIS デュアルバンド撮像カメラと IFS スペクトロイメージャ (0.9 - 1.3 µm) を同時に用いることで,強度画像を取得した.その結果,この恒星まわりのほぼ edge-on (円盤を縁の方向から見ている状態) の星周円盤の散乱光を初めて分解した.円盤が検出されたのは,中心星から投影距離 100 au の範囲である.

円盤の形状とその鋭い構造は,0.9 - 1.6 µm の範囲の波長で明確に検出可能である.観測された特徴は,円盤内に存在する渦状腕と解釈することが出来る.この解釈は,詳細な数値シミュレーションによっても支持される.さらに,これらの構造は円盤と相互作用を起こしている一つの惑星によって生み出されることを再現した.

また,おそらくは背景天体だと思われるいくつかの点源も検出した.

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