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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.05805
Volk et al. (2018)
OSSOS IX: two objects in Neptune's 9:1 resonance -- implications for resonance sticking in the scattering population
(OSSOS IX:海王星の 9:1 共鳴にある 2 つの天体ー散乱された天体群の共鳴付着への影響)

概要

Outer Solar System Origins Survey (OSSOS) プロジェクトでの,新しい太陽系内天体の検出について報告する.今回発見されたのは,およそ 130 au の軌道長半径を持ち,海王星と 9:1 平均運動共鳴にある 2 つの天体である.

両天体ともに 1000 万年のタイムスケールの共鳴を起こしており,一つは 9:1 共鳴の先行する非対称秤動の島にあり,もう片方は対称かあるいは尾を引く非対称の島のどちらかに位置している.これらの 2 天体は,永年共鳴に分類されることが分かっている中では最も大きな軌道長半径を持つ部類の天体である.

また,注意深く特徴付けられたサーベイによる今回のこれらの天体の検出は,軌道長半径が 100 au をより大きい天体の共鳴の初めての強固な集団推定を可能にする.この 2 天体の検出からは,同様の軌道にある 9:1 共鳴の天体で,等級が Hr < 8.66 (直径 100 km 程度以上に相当) の集団が,1.1 × 104 個 (11000 個) 程度存在することが示唆される.95% 信頼区間では 0.4 - 3 × 104 個 (4000 個〜 30000 個存在) となる.


これらの天体の軌道をフィットし,その不定性の範囲内から選んだ初期軌道要素のアンサンブルを 40 億年にわたって積分を行い,軌道の特徴について調査した.その結果,これらの天体は共鳴状態を専有するタイムスケールは ~ 10 億年と判明した.これらのタイムスケールは,これら 2 つの天体は散乱された天体が起源であるが,太陽系進化の最後の ~ 10 億年 の間に海王星との 9:1 共鳴に一時的に捕獲されたという仮説と整合的である.

現在の散乱天体群モデルのシミュレーションに基づき,海王星と 9:1 共鳴に入っていることが期待される天体の数は,等級が Hr < 8.66 の天体に限ると 1000 - 5000 個と推定される.これは,OSSOS の観測に基づく 9:1 共鳴の天体の推定とやや整合的である.

結論としては,resonance sticking が,発見されている 9:1 共鳴天体の起源としてもっともらしい説明であるが,太陽系形成初期から 9:1 の共鳴に入っている天体群が存在する可能性についても議論を行った.これはカイパーベルト天体の力学的歴史への興味深い示唆を与える.

パラメータ

o5m72
軌道長半径:129.80 au
軌道離心率:0.6600
近日点距離:44.13 au
軌道傾斜角:38.361°
o4h39
軌道長半径:129.93 au
軌道離心率:0.6952
近日点距離:39.60 au
軌道傾斜角:26.468°

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