×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1802.06659
Nucita et al. (2018)
Discovery of a bright microlensing event with planetary features towards the Taurus region: a super Earth planet
(おうし座領域方向の惑星の特徴を伴った明るいマイクロレンズイベントの発見:スーパーアース惑星)
増光が最大になる時期付近で高頻度の観測を行った結果,このマイクロレンズ現象を起こしているレンズ天体は,非常に低質量比の天体を持つ伴星であることが示唆された.この連星レンズ系は地球と類似した惑星を持ち,質量推定のもっともらしい値は 9.2 ± 6.6 地球質量である.
さらに,ソース天体の推定距離と詳細なモンテカルロシミュレーションから,レンズ天体までの距離は 380 pc 程度で質量は 0.25 太陽質量と推定される.
このイベントは,当初は単一のレンズ天体によるマイクロレンズイベントであると解釈されていた (Jayasinghe et al. 2017,Maehara 2017).VSNET (Variable Star Network) による増光を知らせるアラート以降,R.P. Feynman Observatory と,Astronomical Institute of Slovak Academy of Sciences in Stara ́ Lesn ́a,telescope of the Crimea station of the Sternberg Astronomical Institute で観測が継続されていた.
なお R.P. Feynman Observatory は,著者の一人が持つ個人所有の小型天文台であり,南イタリア Gagliano del Capo の都市部に位置し,主に教育的な目的で測光と分光観測のプロジェクトに使用されている.ただし小惑星や系外惑星,変光性の観測に関する小さい研究プログラムのサポートを受けている.
この増光イベントの観測の最中,増光が最大となる周辺で小さく減光を起こす特徴が識別された,これは,単一レンズ天体による Paczyn ́ski model の予測とは異なる振る舞いである.増光最大の近辺で V 字型の光度曲線が得られたため,レンズ天体は単一の天体ではなく,連星である可能性があると見て解析を行った.
背景にあるソース天体までの距離は,700 - 800 pc と推定される.これは星間減光の大きさや,この天体の B-V color などから推定された.また,レンズ天体は 380 pc 程度の距離にある推定され,質量は 0.25 太陽質量,伴星は 9.2 ± 6.6 地球質量と推定される.
この惑星は,明確にスーパーアースとされる質量の範囲にある.ここでは R. P. Feynman に敬意を表して,この惑星に Fyynman-01 と愛称を付けた.
今回のマイクロレンズ減少は,これまでのマイクロレンズイベントの中では最も近距離で発生した現象である.
arXiv:1802.06659
Nucita et al. (2018)
Discovery of a bright microlensing event with planetary features towards the Taurus region: a super Earth planet
(おうし座領域方向の惑星の特徴を伴った明るいマイクロレンズイベントの発見:スーパーアース惑星)
概要
最近,おうし座領域において TCP J05074264+2447555 と名付けられた一時的な増光事象が発見された.これは,すぐに進行中の重力マイクロレンズイベントであると認識された.ソース天体は地球からわずか 700 - 800 pc の距離にあると推定される.増光が最大になる時期付近で高頻度の観測を行った結果,このマイクロレンズ現象を起こしているレンズ天体は,非常に低質量比の天体を持つ伴星であることが示唆された.この連星レンズ系は地球と類似した惑星を持ち,質量推定のもっともらしい値は 9.2 ± 6.6 地球質量である.
さらに,ソース天体の推定距離と詳細なモンテカルロシミュレーションから,レンズ天体までの距離は 380 pc 程度で質量は 0.25 太陽質量と推定される.
マイクロレンズイベント TCP J05074264+2447555
TCP J05074264+2447555 は,おうし座領域で偶然発見された増光現象である.マイクロレンズのソース天体 (※注釈:視線方向でレンズ天体の背後に存在し,増光を受けている天体) は USNO-A2 であり,分光観測の結果こちらの天体は F5V 主系列星と分類されている (Maehara 2017).このイベントは,当初は単一のレンズ天体によるマイクロレンズイベントであると解釈されていた (Jayasinghe et al. 2017,Maehara 2017).VSNET (Variable Star Network) による増光を知らせるアラート以降,R.P. Feynman Observatory と,Astronomical Institute of Slovak Academy of Sciences in Stara ́ Lesn ́a,telescope of the Crimea station of the Sternberg Astronomical Institute で観測が継続されていた.
なお R.P. Feynman Observatory は,著者の一人が持つ個人所有の小型天文台であり,南イタリア Gagliano del Capo の都市部に位置し,主に教育的な目的で測光と分光観測のプロジェクトに使用されている.ただし小惑星や系外惑星,変光性の観測に関する小さい研究プログラムのサポートを受けている.
この増光イベントの観測の最中,増光が最大となる周辺で小さく減光を起こす特徴が識別された,これは,単一レンズ天体による Paczyn ́ski model の予測とは異なる振る舞いである.増光最大の近辺で V 字型の光度曲線が得られたため,レンズ天体は単一の天体ではなく,連星である可能性があると見て解析を行った.
背景にあるソース天体までの距離は,700 - 800 pc と推定される.これは星間減光の大きさや,この天体の B-V color などから推定された.また,レンズ天体は 380 pc 程度の距離にある推定され,質量は 0.25 太陽質量,伴星は 9.2 ± 6.6 地球質量と推定される.
この惑星は,明確にスーパーアースとされる質量の範囲にある.ここでは R. P. Feynman に敬意を表して,この惑星に Fyynman-01 と愛称を付けた.
今回のマイクロレンズ減少は,これまでのマイクロレンズイベントの中では最も近距離で発生した現象である.
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック