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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.08320
Damasso et al. (2018)
Eyes on K2-3: A system of three likely sub-Neptunes characterized with HARPS-N and HARPS
(K2-3 への視点:HARPS-N と HARPS で特徴付けられた 3 つのサブネプチューンを持つと思われる系)

概要

M 型矮星は,ハビタブルな環境である可能性のある惑星を同定して,特徴付けを行うための有望な観測ターゲットである.

K2-3 は近傍 (45 pc) の早期 M 型星で,3 個の小さいトランジット惑星を持っていることが分かっている,これらの惑星のうち,最も外側を公転する惑星は,恒星の (楽観的な) ハビタブルゾーンの内縁に近い位置にある.K2-3 系は,3 個の惑星の正確な質量と密度を決定することを目的としたフォローアップ観測に適している.

ここでは,HARPS-N と HARPS の分光器を用いて取得した,2.5 年にわたる 329 セットの視線速度測定と恒星の活動シグナルの適切な取扱を用いて,K2-3 系の惑星の質量と密度の測定の改善を行った.これによって得られた結果を,各惑星の物理的構造を調べるために用いた.


視線速度データの中では,恒星活動に起因する変動成分が最も強かったものの,K2-3b と c の質量を導出することが出来た.それぞれ,6.6 ± 1.1 地球質量,3.1 (+1.3, -1.2) 地球質量であった.

なお K2-3d による視線速度の変動は検出されなかった.これは,恒星自身の活動に誘起される視線速度シグナルに比べて,K2-3d による視線速度変動の振幅が小さいことが原因だと考えられる.また,K2-3d の公転周期は K2-3 の自転周期と近いため,K2-3d によるシグナルの検出を複雑にする可能性がある.
シミュレートしたデータ中に注入されたシグナルを復元する手法に基いて質量を推定した結果,K2-3d の質量は,暫定的に 2.7 (+1.2, -0.8) 地球質量と推定される.


今回の質量測定からは,K2-3 の 3 惑星の密度と内部構造は類似している可能性が示唆される.各惑星は,岩石コアの上部に小さい水素ヘリウムエンベロープ (全質量の < 1%) を持つか,あるいは重い水の層 (全体の質量の 50% 以上) を持つかのどちらかであると考えられる.

K2-3c と d の密度にさらなる制約を与えることは難しい.特に,HARPS-N および HARPS での高頻度な視線速度観測を行ったとしても,K2-3d のドップラーシグナルを検出することはできないだろう.

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