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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.08865
Brahm et al. (2018)
EPIC247098361b: a transiting warm Saturn on an eccentric P=11.2 days orbit around a V=9.9 star
(EPIC247098361b:V = 9.9 の恒星の周りの P = 11.2 日の離心軌道にあるトランジットするウォームサターン)

概要

ケプラーの K2 ミッションで得られた測光データと地上からの分光観測から,EPIC 247098361b を発見した.

この惑星は,質量が 0.397 木星質量,半径は 1.00 木星半径で,軌道長半径は 0.1036 AU とやや大きいため,平衡温度もやや低く 1030 K である.中心星は V = 9.9 と明るい F 型星で,軌道離心率が 0.258 の軌道を公転している,軌道周期は 11.2 日である.

等級が 10 よりも明るい恒星を公転するウォームジュピターのうち,物理パラメータがよく特徴付けられているものは僅かであり,この惑星はその 4 個のうちの 1 個となる.

惑星の重元素存在量は 20 ± 7 地球質量と推定される,この値は,巨大惑星形成のスタンダードなモデルと整合的なものである.

中心星 EPIC 247098361 は明るいため,追加観測の対象として適している.また,中心星からやや離れた軌道にある巨大惑星の大気と軌道進化の研究対象としても興味深い対象である.

ウォームジュピターの特性

トランジットするウォームジュピター (ここでは周期が 10 日より長い巨大惑星) は,惑星や軌道進化の研究対象として興味深い存在である.
中心星からやや離れている (0.1 AU 以上) ため,ウォームジュピターの内部構造は,ホットジュピターほどは潮汐・磁場・輻射機構からの影響を受けない.そのため,巨大惑星の内部組成と,それが惑星系の全体的な性質 (恒星質量,金属量,惑星の数) に対してどのような依存性を持つかを,理論的モデルを用いてより直接的に調べることができる.

同様に,一般にウォームジュピターでは惑星と恒星の相互作用があまり強くないため,ウォームジュピターの spin-orbit angle (恒星の自転軸と惑星の公転軸の角度) の分布を研究することで,高軌道離心率惑星移動モデルによる予測を検証することができる (Petrovich & Tremaine 2016).

しかし,明るい恒星まわりのウォームジュピターの検出には強い検出バイアスが存在する.惑星がトランジットを起こす確率は軌道長半径に反比例するため,検出できる可能性が低くなる.さらに,軌道周期が 10 日よりも長い惑星をトランジットで検出するための duty cycle は,典型的な地上サーベイにとっては高すぎるという問題がある.

パラメータ

EPIC 247098361
等級:V = 9.899
有効温度:6154 K
金属量:[Fe/H] = 0.10
質量:1.192 太陽質量
半径:1.161 太陽半径
光度:1.718 太陽光度
年齢:12.6 億歳
EPIC 247098361b
軌道周期:11.168454 日
軌道離心率:0.258
質量:0.397 木星質量
半径:1.000 木星半径
平衡温度:1030 K
軌道長半径:0.10355 AU

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