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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.09557
Prieto-Arranz et al. (2018)
Mass determination of the 1:3:5 near-resonant planets transiting GJ 9827 (K2-135)
(GJ 9827 (K2-135) をトランジットする 1:3:5 共鳴に近い惑星の質量決定)

概要

複数惑星系は,全ての惑星が同じ初期条件のもとで形成されているため,惑星形成モデルを検証するための良い研究対象である.明るい恒星をトランジットする系は,その研究に対して重要な役割を果たす.それはトランジット観測や視線速度測定によって,惑星質量,惑星半径,平均密度を正確に測定することが出来るからである,

GJ 9827 (K2-135) は,最近 3 つのトランジットする小さい惑星が狭い範囲に存在することが発見された惑星系である.この系の検出と特徴付けは,Niraula et al. (2017) と Rodriguez et al. (2018) で行われた.別の名称として EPIC 246389858 がある.3 つの惑星の軌道周期はそれぞれ 1.2 日,3.6 日,6.2 日であり,これは 1:3:5 の比に近い.ケプラーの主要ミッションおよび K2 ミッションで発見された中では,最も太陽系に近い惑星系である (30.32 pc).また,中心星の光度は V = 10.35 と明るいため,惑星の詳細な特性を研究する対象として適している.

ここでは K2 ミッションでの測光観測データと,FIES, HARPS, HARPS-N 分光器を用いた高精度視線速度観測を合わせて,この惑星系のパラメータを更新した,また,3 惑星の質量を導出した.
GJ 9827b (K2-135b) は 3.74 地球質量,1.62 地球半径,平均密度 4.81 g cm-3,GJ 9827c (K2-135c) は 1.47 地球質量,1.27 地球半径,3.87 g cm-3,GJ 9827d (K2-135d) は 2.38 地球質量,2.09 地球半径,1.42 g cm-3 であった.

今回の測定により,この系はすべての惑星の質量が 30% よりも良い制度で測定されている,数少ない惑星系の一つとなった.

これらの惑星の質量はスーパーアースとミニネプチューンの境界質量に近いため,研究対象として興味深い系である.また,これらの 3 惑星の推定組成は,どれもが類似したコア・大気組成で形成されたとするシナリオと整合的である.
さらに,GJ 9827b と c は形成後に大気エンベロープを失った一方で,GJ 9827d は受ける輻射がずっと低いため,現在まで大量の大気を保持しているという可能性についての考察を行った.

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