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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.09812
Farr et al. (2018)
Aldebaran b's temperate past uncovered in planet search data
(惑星探査データで判明したアルデバランb の温暖な過去)

概要

太陽系近傍の赤色巨星アルデバランは,長年に渡る地上からの分光視線速度測定から,ガス惑星アルデバランb を持つことが知られている.

ここでは,Gaussian Process-based Continuous Auto-Regressive Moving Average (CARMA) モデルを用いて,過去の観測データには恒星自身の音響振動の兆候も含まれていることを示す.またこの兆候を,さらに特化した地上からの分光観測と,宇宙空間からのケプラーを用いた測光データから確認した.

これらの音響振動の周波数から,アルデバランの質量を 1.15 ± 0.07 太陽質量と推定した.この推定質量を元にすると,アルデバランの主系列段階の寿命の一部において,このアルデバランb は地球と同程度の日射を受けていたことが示唆される.

今回用いた,まばらで不規則にサンプリングされた天体物理観測データに対する解析アプローチは,アーカイブデータ中にある数千もの恒星の星震測定 (asteroseismic measurement) を解明する可能性がある.

アルデバランとアルデバランb

アルデバラン (α Tauri,おうし座アルファ星) は,よく知られた一等星の赤色巨星である.この恒星は,視線速度法によって系外惑星候補が検出された,最も初期の恒星の一つである.

最も最初に確認された系外惑星はホットジュピター 51 Peg b (ペガスス座51番星b) だが (Mayor & Queloz 1995),この発見よりも前に,Hatzes & Cochran (1993) はポルックス (Pollux, β Gem) に視線速度の変動があることを報告している.この変動は,後に惑星によるものである事が確認された (Hatzes et al. 2006,Han et al. 2008).

また Hatzes & Cochran (1993) は,アークトゥルス (Arxturus, α Boo) とアルデバランにも視線速度の変動が存在する事を報告している,アークトゥルスのシグナルが惑星由来かどうかについては未確認である.しかしアルデバランのシグナルに関しては,Hatzes & Cochran (1998) によるさらなる研究の後,Hatzes et al. (2015) は周期 629.96 日の惑星質量の伴星,アルデバランb の視線速度法での検出を報告した.

ここでは,過去の視線速度データの再解析を行い,惑星による視線速度変動のシグナルを確認するだけでなく,アルデバラン自身の音響振動による変動をを初めて検出した.またその結果を用いて星震学的手法により,アルデバランの質量推定と過去の進化過程,およびそれに伴うアルデバランb の日射量の進化を明らかにした.

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