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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1803.00575
Drazkowska & Dullemond (2018)
Planetesimal formation during protoplanetary disk buildup
(原始惑星系円盤形成中の微惑星形成)

概要

ダストの凝縮とそれに続く微惑星形成のモデルは通常,既に完全に形成した原始惑星系円盤が存在するという状況のもとで計算される.しかし観測的な研究は,微惑星形成はおそらく円盤進化の初期に,場合によっては原始惑星系円盤が完全に形成されるより前に開始することが示唆されている.

ここでは,ガスとダストが母体となる分子雲から円盤に降着している,円盤の形成段階の最中において微惑星が形成する状況について調査した.スノーラインの位置における早期の微惑星形成モデルを,円盤形成と進化のシンプルなモデルと結合した.

その結果,大部分の条件のもとでは,円盤形成段階よりも後の円盤が軽く低温になった段階でのみ,微惑星が形成されることを見出した.

しかし,円盤形成過程であっても微惑星が形成を開始できるパラメータ領域が存在することも判明した.これは,粘性駆動の円盤進化が中間的 (\(\alpha_{\nu}\sim 10^{-3}-10^{-2}\)) である一方で,ダストの乱流混合は小さい場合 (\(\alpha_{\rm t}\lesssim 10^{-4}\)) である.ただし,円盤内の水蒸気はガスと鉛直方向によく混合されているという仮定を置いた場合である.

このような \(\alpha_{\rm t} \ll \alpha_{\nu}\) というシナリオは,layered accretion が起きている場合に期待される.これは,ガスの中心星への降着流の大部分は活発な円盤表面層で駆動され,一方で大部分のダストが存在する中心平面層は静穏であるという状態である.

従って,原始惑星系円盤の降着が大局的な乱流によって駆動されるという一般的な描像の場合は,円盤形成段階の最中には微惑星形成は発生しない.円盤形成段階における微惑星形成は,ペブルが円盤の静穏な中心平面に存在する一方で,ガスと水蒸気が高い割合で拡散しているという状況のみで可能である

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