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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1803.10338
Moses et al. (2018)
Seasonal stratospheric photochemistry on Uranus and Neptune
(天王星と海王星における季節性の成層圏光化学)

概要

時間変動性の一次元光化学モデルを使用し,天王星と海王星における成層圏の炭化水素の分布を高度,緯度及び季節の関数として計算した.

海王星での結果は,成層圏循環やその他の子午面輸送過程が存在しない場合は,炭化水素の存在度は高層大気で強い季節変動と子午的変動を示すが,これらの変動は,力学的及び化学的時間スケールが増加するため,大気の深い領域では減衰する.
高い高度では,炭化水素の混合比は典型的には太陽の日射量が最大である場合に最も大きくなり,夏から秋にかけての半球と,冬から春にかけての半球との間の,強い二分性をもたらす.

圧力がミリバール程度の領域およびそれよりも深い領域では,化学反応が遅いことと拡散の影響により,赤道に対してより対照的な緯度変化が生じる.


天王星においては,停滞しあまり混ざり合っていない成層圏では,メタンとその光化学生成物を化学反応と拡散の時間スケールが大きい高圧力領域に閉じ込める.従って天王星では,惑星の自転軸傾斜角が非常に大きいにも関わらず,炭化水素の季節変動は弱くなると考えられる.


輻射輸送シミュレーションを用いた結果,両方の惑星における炭化水素の緯度変動は,将来のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の中間赤外スペクトル撮像によって観測可能であることが示された.

ここでの海王星の季節モデルの予測は,地上からの観測で空間分解された C2H2 と C2H6 の存在度とよく一致している (なお,天王星に関してはそのような観測は現在のところ存在しない),従って,今回のモデルには含まれていない成層圏での循環は,海王星の大局的な子午面炭化水素分布には僅かな影響しか及ぼさないことが示唆される.これは木星と土星での状況とは異なる.

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