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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1804.00830
Miyazaki et al. (2018)
MOA-2015-BLG-337: A Planetary System with a Low-mass Brown Dwarf/Planetary Boundary Host, or a Brown Dwarf Binary
(MOA-2015-BLG-337:低質量の褐色矮星/惑星境界の中心星の惑星系か,褐色矮星連星)

概要

短いタイムスケールの連星レンズ天体によるマイクロレンズイベント MOA-2015-BLG-337 の発見と解析について報告する.
レンズ系は,非常に低質量の褐色矮星/惑星の質量境界周辺の主星を持つ惑星系か,褐色矮星連星のどちらかであると考えられる.

観測された光度曲線を説明できるモデルとして 2 つの競合するものがある,伴星/主星質量比が ~ 0.01 と ~ 0.17 のものである.
ベストフィットの惑星モデルでの有限ソース効果の測定から,このレンズイベントが比較的小さいアインシュタイン角半径 ~ 0.03 mas を持つことを発見した.このことは,レンズ天体は低質量であることを示唆している.

ベイズ統計を行って,レンズ天体の特性の確率分布を計算した.惑星モデルの結果は,仮定した質量関数における最小質量に強く依存する.

まとめると,レンズ系には以下の 2 つの解がある.
(1) 褐色矮星/惑星質量境界の天体と,それを公転するスーパーネプチューン (最小質量 0.001 太陽質量の惑星モデル)
(2) 褐色矮星連星 (連星モデル)


もし惑星モデルが正しければ,この系は中心星質量が小さく,また中心星質量と伴星質量の質量比も小さい (< 0.03) という特徴を持つ,新しい部類の惑星系のひとつになる.このイベントの発見は,非常に低質量な天体まわりでの惑星形成の研究において重要である.さらに,今回のような多義的なイベントでは,惑星・連星マイクロレンズイベントの将来の包括的な統計解析のため,すべての可能な解を考慮することは重要.

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