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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1804.01913
Clark et al. (2018)
Thermal emission of WASP-48b in the Ks-band
(Ks バンドでの WASP-48b の熱放射)

概要

ホットジュピター WASP-48b の,Ks バンドでの熱放射の検出について報告する.3.6 m 口径の Canada-France Hawaii Telescope の Wide-field Infra-red Camera を使用して,中心星による惑星の掩蔽 (二次食) の観測を行った.

光度曲線から,Ks バンドでの惑星-主星コントラスト比を 0.136 ± 0.014% と測定した.これは過去に測定されていた値である 0.109 ± 0.027% と一致するものである.

このデータを,H バンドのデータ,スピッツァー宇宙望遠鏡の 3.6, 4.5 µm バンドパスでのデータ,視線速度データ,トランジット光度曲線と合わせてフィッティングを行った.それを元に,この惑星系のパラメータを更新し,WASP-48b の昼側大気のスペクトルエネルギー分布 (spectral energy distribution, SED) を構築した.

得られた SED を惑星大気モデルと比較した結果,大気中に温度逆転が存在するものと,温度逆転が存在しないものの両方ともに観測データとは整合的な結果を示すことが分かった.

また,惑星の軌道は円軌道と整合的である (3σ で離心率 e < 0.072).

ホットジュピターの温度逆転層

温度逆転層の検出と疑義

惑星の昼側大気の SED から,惑星大気の組成や温度構造を知ることが出来る.

温度逆転 (themal inversion) は,惑星の高層大気において,低圧 (上空) の方に向かって温度が上昇することを指す.この温度逆転は,いくつかのホットジュピターに存在すると主張されている (Machalek et al. 2008など).

温度逆転を持つとされる惑星の原型は HD 209458b (Knutson et al. 2008) である.しかしその後の同じ惑星の観測では,温度逆転の存在には疑問が投げかけられている (Diamond-Lowe et al. 2014,Schwarz et al. 2015,Line et al. 2016).

WASP-48b 大気の温度逆転層

WASP-48b はホットジュピターであり,0.98 木星質量,1.67 木星半径で,軌道周期が 2.1 日である.中心星 WASP-48 は F 型星で,1.19 太陽質量,1.75 太陽半径である (Enoch et al. 2011).

O’Rourke et al. (2014) は,H, Ks バンドとスピッツァー宇宙望遠鏡の 3.6, 4.5 µm での WASP-48b からの熱放射を検出した.また観測からこの惑星の昼面の SED を調べ,大気中に強い温度逆転は存在しないと結論づけた.

ここでは,3.6 m 口径の Canada-France Hawaii Telescope の Wide-field Infra-red Camera を用いて 2012 年 8 月 6 日に取得したデータを解析した.

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