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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1804.03471
Belton et al. (2018)
The Excited Spin State of 1I/2017 U1 `Oumuamua
(オウムアムアの励起された自転状態)

概要

ここでは,恒星間天体 1I/2017 U1 `Oumuamua (オウムアムア) の励起された自転は,高エネルギーの LAM 状態である事を示す.そのため,この天体の形状は,過去の研究で報告されているような非常に細長い形状とは程遠い可能性が示唆される.

オウムアムアの光度曲線について,29.3 日にわたる合計 818 回の観測結果を解析した.解析には,CLEAN と ANOVA アルゴリズムを使用した.

その結果,2 つの基本的な周期性を発見した.2.77 ± 0.11 回転/日と 6.42 ± 0.18 回転/日である.これは周期にすると,それぞれ 8.67 ± 0.34 時間と 3.74 ± 0.11 時間に対応している.

位相データは,光度曲線は単純なサイクルでの繰り返しではない事を示しているが,およそ 2.77 回転/日での二重極小と 6.42 回転/日での単一の極小を示す.これは励起された自転状態の特徴である.


解析の結果,オウムアムアは長軸モード (long axis mode, LAM) か短軸モード (short axis mode, SAM) のどちらかで自転している可能性があることが示唆された.どちらの場合も,天体の長軸は全角運動量ベクトルの周りを平均周期 8.67 ± 0.34 時間で歳差運動している.

ここで発見した 3 つの LAM の場合,長軸周りの自転周期として可能性があるのは,6.58,13.15,54.48 時間で,最も可能性が高いのは 54.48 時間である.また,オウムアムアはこれらの値それぞれの半分の周期で転頭 (nutating) 運動をしている可能性もある.

また,SAM 状態として 2 つの取りうる可能性を発見した.こちらの状態の場合,オウムアムアは長軸の周りを 13.15 時間か 54.48 時間で振動している可能性があり,最も可能性が高いのは後者である.
この場合,同じ周期で転頭が起きる可能性がある.

光度曲線にモデルを直接フィットさせることで,この天体の自転状態,転頭の振幅,全角運動量ベクトルの方向,平均全自転周期の決定が可能だろうと考えられる.もし最も低い自転エネルギーに近い場合はオウムアムアは “cigar-shaped” (タバコ状の形状) であり,もし総角運動量について最も高いエネルギー状態に近い場合は,非常に扁平な回転楕円体であることを見出した.

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