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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1805.00049
Poleski et al. (2018)
An ice giant exoplanet interpretation of the anomaly in microlensing event OGLE-2011-BLG-0173
(マイクロレンズイベント OGLE-2011-BLG-0173 のアノマリーの巨大氷系外惑星解釈)

概要

軌道長半径 ~ 10 AU,質量が 0.2 木星質量 (4 天王星質量) 程度の惑星候補の発見を報告する.

中心星によるマイクロレンズイベントの終わりに観測された小さなアノマリーから,レンズ天体の主星に付随する惑星質量の伴星の存在が示唆された.レンズ天体が連星であるモデルと,ソース天体が連星であるモデルの両方を考慮して,観測されたシグナルを解釈し,これらの間の縮退について調査した.

今回判明したモデルの縮退のうちのいくつかは,これまでに認識されていなかった縮退である事が分かった.これらの縮退は,光度曲線中のアノマリーに関する情報の欠如に由来しており,数学的な縮退ではない.

今回の結果は,中心星から遠く離れた軌道にあるマイクロレンズ惑星の特徴付けを行うためには,高頻度の観測が不可欠であることを示す.そのため,計画中の赤外線宇宙望遠鏡 Wide Field Infrared Survey Telescope (WFIRST) によるマイクロレンズサーベイでは,ここで議論しているようなマイクロレンズモデルの縮退は,地上から行われている現在のサーベイに比べて起こりにくいことが予測される.


また,現在知られている低質量の遠方軌道の伴星についての議論も行った,
このような天体では,伴星/主星の質量比は大きいか (褐色矮星質量の伴星の場合) 小さいか (天王星類似惑星の場合) のいずれかに二極化する傾向があると結論付けられる.

中間的な質量比 (遠方軌道にある木星類似天体) を持つ天体に対するマイクロレンズサーベイの感度は,天王星類似天体に対する感度よりも高いはずである.しかし前者のような天体はこれまでに検出されていない.したがってこの事は,遠方軌道での重い巨大氷惑星の "砂漠" が存在する (そのような惑星は存在する割合が低い) ことを示す暫定的な証拠であると考えられる.

一方で,天王星類似天体の本質的な検出感度が低いことを考慮すると,これらが多数発見されているという事実は,天王星類似天体は普遍的な存在であることを示していると考えられる.

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